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ひろゆきの物語

「ひろゆき、ページをめくる!〜読むの嫌いな男が読書沼にハマった奇跡の物語〜」

読書?嫌い嫌い、大嫌い。実際、ひろゆきという男は、学生時代から本を読むという行為を「嫌い」の枠をはるかに超えて、「敵」視していた。何なら、教科書を見るだけでアレルギー反応が出るほど。目がかゆい、頭が痛い、眠い、無理、無理!そんな彼の唯一のサバイバル術は、テスト前に友達のノートを借りて一気に詰め込む「必殺・一夜漬け」。

ところが、なぜかその方法で「そこそこの成績」が取れてしまったものだから、ますます読書からは遠ざかる一方。読む時間?無駄無駄、そんなものに使う暇があったら寝る、ゲームする、ラーメン食べる。まさに「読書は人生の無駄遣い」と思っていた。

さて、そんなひろゆきが社会人になったところで、当然のごとく「読書」に対するスタンスは微動だにしない。むしろ仕事が忙しいのをいいことに、読書と距離を置くどころか、距離が光の速さで広がっていった。スマホでニュースをちょろっと見るくらいならまだしも、紙の本なんてもう触れることすら「ありえない」。何なら、電子書籍すらも「無理」なタイプだ。

営業マンとなったひろゆきの日常は数字と戦う毎日。クライアントとのミーティング、契約を取るための駆け引き、頭の中はいつも「どうやって売上を上げるか」のことでいっぱい。帰宅する頃には、エネルギーゼロ。ベッドにダイブするだけが彼の「日課」となっていた。

「本なんて読む暇あるなら寝ろ。むしろ寝たい!」彼は何度も自分にそう言い聞かせていた。しかし、そんなひろゆきの心の片隅には、ちょっとしたモヤモヤがあったのだ。「このままでいいのか?」という自問自答が、時々ふっと顔を出す。しかし、寝る!それがひろゆきの答えだ。

ところが、ある日、そんな彼に天変地異が起きる。なんと、本屋に「ふらり」と入ってしまったのだ!いや、正確には「入ってしまった」というより、たまたま雨宿りで逃げ込んだのだが、その中で「疲れた大人のための読書術」なんて本が目に入った。普通なら、完全スルーでスルスルと本屋を出ていくところだが、何かが違った。「ん?これって…俺のこと?」と、まるでこの本がひろゆきのために書かれたかのような錯覚を覚えたのだ。そして、人生初の「自発的立ち読み」を決行する。

ページをパラパラとめくると、そこには「読書が苦手な大人のための3つのコツ」が書かれていた。

1. 漫画から始める
2. 最適な読書環境を見つける
3. 電子書籍を活用する

「えっ、漫画から?あれなら俺でもいけるかも?」とひろゆきの興味がグッと引かれたのだ。もうこの時点でひろゆきにとっては事件だ。「漫画なら、俺も小学生の頃に買ってたもんな…」と思い出しながら、そのまま本を手に取りレジへ向かった。この瞬間、「読書嫌い」のレッテルが彼の額からほんの少しだけ剥がれ落ちたのだった。

教科書以外で初めて買った本を手に、ひろゆきは一歩を踏み出す。そして、手始めに手に取ったのは「7つの習慣」の漫画版。友人から「営業マンならこれ読め!」としつこく勧められていたが、原本は分厚くて「知識の壁」そのものだった。しかし漫画版はまるで違う。カラフルなイラスト、簡単な言葉遣い、ストーリー仕立て。読んでいると、頭の中に知識がどんどんシャワーのように降り注ぎ、「おお、これなら俺でもいける!」と感動するひろゆき。「漫画版、恐るべし!」と心の中で叫んだ。

次なるステップは「最適な読書環境」探し。ひろゆきは自宅だと集中できない性格だったので、通勤中の電車で読むことにした。電車の揺れも雑音も何のその、漫画版ビジネス書はどんどん読み進められた。短い時間でも意外と読書に集中できることに気付き、読書が少しずつ楽しくなってきた。

さらに、彼は次なるステージ「オーディオブック」に挑戦。これが彼にとって「革命」だった。通勤中に耳から本を聞けるし、営業中の車の中でもサクッと知識を吸収できる。彼の頭はまるで「知識吸引機」と化したのだ。

そして、満を持して「電子書籍」へと進む。「スマホで本?これもう未来じゃん!」とテンションマックスのひろゆきは、どこでも本を読める便利さに感動。営業の合間にもさっとスマホを取り出し、本を読み、知識をインプットする姿はまさに「未来型営業マン」。紙の本を持ち歩く必要がなく、かさばらないのも最高だった。何より、気になった部分を即座に検索できる機能が、ひろゆきの心をわし掴みにした。「俺、天才じゃね?」と思わず自分を褒めたくなった。

そんな日々を過ごしていると、ある日、彼に大口の取引先との商談が舞い込んできた。今まで何度も断られてきた相手だったが、この日は違った。「7つの習慣」で学んだ知識を駆使し、ひろゆきは見事にプレゼンを展開。すると、相手の社長がニヤリと笑い「お前、勉強してるじゃねえか」と、これまでにない好反応。まさかのリターンオファーをゲットしたのだった。

こうして、ひろゆきの営業成績はグングン上がり、ついには社内で「知識豊富でウィットに富む営業マン」として評判に。後輩たちからも尊敬の眼差しを向けられるようになり、気づけば「読書のコツ」を後輩に伝授するまでになっていた。「難しい本は無理しなくていい。まずは漫画から始めなさい」と、読書嫌いだったひろゆきが語る姿は、もはや別人。

「読書?余裕だよ!」と言い放つひろゆきの物語は、まだまだ終わらない。彼の「読書ライフ」は始まったばかりだ。次にどんな本に出会い、どんな知識を得ていくのか、それはひろゆき自身にもわからない。ただ一つ言えるのは、彼の未来には「本」がついてまわるということだ。

そして、ひろゆきの旅は続く。

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