スクラムとアジャイルのエッセンス

スクラムとアジャイルのエッセンス

株式会社iCAREでVPoEをしております安田と申します。この記事はiCARE Advent Calendar 2020の三日目のエントリとして書かれています。

なぜ「スクラムとアジャイルのエッセンス」か?

今日はスクラムとアジャイルのエッセンスについて考えてみたいと思います。
なぜ急に「エッセンス」の話なのか?ですが、実は先だって自分は

スタンドアップミーティングをきっかけにアジャイルについて考える

という記事を書きました。そこではアトラシアンのスクラムの記事を手がかりにスクラムのエッセンスについて考えました。ただ、実はそこで自分の考えていることを全く語り尽くせたと思えませんでした。なので、今日はスクラムの創設者の一人であり、アジャイルソフトウェア開発宣言を作った一人でもあるJeff Sutherlandの「Scrum: The Art of Doing Twice the Work in Half the Time」と「スクラムガイド」の抜粋を通して、スクラムとアジャイルについて考えてみたいと思います。

まずは「Scrum: The Art of Doing Twice the Work in Half the Time」の抜粋から。

Scrum embraces uncertainty and creativity. It places a structure around the learning process, enabling teams to assess both what they’ve created and, just as important, how they created it.
スクラムは不確実性と創造性を(喜んで)受け入れる。
学習プロセスの回りにひとつの構造を配置し、チームが作ったものとそれをどうやって作ったかを評価できるようにする。[ 筆者訳 ]

これは、スクラムが「学習プロセスを構造化したもの」であり、「チームが何を作ったか、どうやって作ったかを評価できるようにするもの」だと言い直せると思います。

なので、もしスクラムイベントであるデイリースクラム、スプリントレビュー、スプリントレトロスペクティブ等よりも、上記の目的(チームが何を作ったか、どうやって作ったかを評価できるようにする)をより良く達成できるようなイベントサイクルを作れるのであれば、そのほうがスクラムの目的により合致している、ということが言えるかと思います。

しかも、ここでもう一つ言われている重要なことは
「不確実性と創造性を(喜んで)受け入れる」
ということです。

スクラムガイドに「スクラムのルールは、役割・イベント・作成物をまとめ、それらの関係性や相互作用を統括するものである」とあるように、スクラムの諸ルールが、それぞれ相互に関わりあい、一つの体系をなしているので、その一つ一つがそれぞれ重要な意味を持っているのは明確です。
しかし、だからといってそれらのルールに「縛られる」としたら、それは「創造的(embraces creativity)」と言えるでしょうか?

また「不確実性を(喜んで)受け入れる」とあるように、状況が常に変化にさらされている、ということを受け入れながら、開発プロセス(スクラム)だけは「不変で至上のルール」とみなすとしたら、それは自己矛盾していないでしょうか?

上記を踏まえて、私が言いたいことは、スクラムのルールを至上のルールとみなすことは、その事自体がスクラムの目的から外れる、ということです。
とはいえ、スクラムの一つ一つのルールは、スクラムの体型全体の中で有機的なつながりを持っているので、その一つだけを取り出しても価値が失われますし、全体からむやみにその一部を取り除いても、やはり価値を損なうと思われます。

では、どうすればよいか?

スクラム全体、もしくは部分の「意義、目的」を常に考える、常に省みる事が大事なのではないかと思います。
スクラムを盲目的に適用するのではなく、スクラムの適用自体に、スクラムの大事なプロセス制御「検査と適応(Inspect and Adapt)」をすることが大事なのではないかと思います。

ルールを盲目的に適用するのではなく、その意味について問いながら、検査と適応を通してよりよいプロセスを作っていくこと。それこそが「創造的」に開発することであり、「可能な限り価値の高いプロダクトを生産的かつ創造的に届けるため(スクラムガイド)」に必要なことではないでしょうか。

最後に

ここまで書いてきて気づいたのですが「スクラムとアジャイルのエッセンス」というタイトルにしておきながら「アジャイル」について1mmも語ってないですね・・・。すみません。しかし、正直これについても語りたい。

なので、アジャイルについてはまた別の機会に語ってみたいと思います。
アジャイルソフトウェア開発宣言
大好きなんですよね、僕。

iCARE Advent Calendar 2020、明日はヘレンさんが「featurespecで引っかかりやすいポイント」について書きます!お楽しみに!!!

おまけ
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