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90年代の音楽を知らないアナタへ その54 ANOTHER NIGHT(93)/REAL MCCOY 全米を席巻した”歌謡曲”ハウス

ドイツ出身のクラブバンド「M.C. Sar & The Real McCoy」が93年にヨーロッパで中ヒットを放った「ANOTHER NIGHT」。その後カナダでトップ10ヒットを記録したのを機会に、エース・オブ・ベースの「次」としてヨーロピアンアーティストのヒットを画策していたアリスタ・レコーズの代表クライブ・デイヴィスのアレンジによってアメリカへ輸入されたのが世界進出へのスタートだった。

わたしがこの曲を知る切っ掛けになったのはもちろんアメリカン・バージョンでビルボードを席巻してた時。前知識もなく、急にヒットを飛ばしチャートの上位に食い込んできた印象があったのが不思議だった。当時のアメリカでは用意周到にプランされた先述のバックグラウンドを経た綿密なヒット計画があったことに、新鮮な驚きと音楽ビジネスの内側を知った気がした。

この曲はクラブミュージックらしく、基本的には同じフレーズがループするだけの単純な構成。ただしそのループするメロディがキャッチーであればヒットするのだという好例である。

わたしの好きな海外の音楽はしばし「歌謡曲」と比喩することがあるのだがこの曲もその例に漏れず、一度聴くだけで覚えるほどにキャッチーで、頭の中をぐるぐると巡る。CDを買わずとも歌える。まさに歌謡曲と同じ要素が詰まっているのだ。

案の定、この歌は当時から今に至ってもときどき思い出したように永遠と聴きまくるときがある。楽しい歌でもあるし、気分を上げたい時にヘッドフォンで爆音で聴くとすばらしいトリップができるので是非。

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