不機嫌と御機嫌
昨夜は薬を飲んで早めに寝ました(私が)。痛み止めが効くのを待っている間、娘がまた起きてきてキッチンでガチャガチャやっているのを聞きます。何か食べたいのかなあ。なんかもうどうでもいいよ。
そういえば土曜日の私の長い昼寝の途中で娘がやってきて机の下から小学校か中学校のアルバムを引っ張り出し「懐かしんでるよ」とか言いながら見ていました。本も読まないしテレビも見ないし外にも行かないし、こうやってたまにアルバムを引っ張り出して見るのだけが娘の世界なんだなと思ったら腹が立って。なんかやれよ、たまには。アルバム見てるだけだから小学校とか中学校の同級生が妄想に出てくるんだろうが。ちなみに高校での思い出を娘が語ることはほぼありません。
薬が効いて眠くなるまでそれほど時間はかかりませんでした。熟睡。
夜中にドスドスという足音で目が覚めました。娘がトイレに行く音です。どうして静かに歩けないのか。発達障害の子は走ったり歩いたりが苦手なのだそうです。身体を思うように扱うことができないそうです。まさにそれだよ、娘のドスドスという足音は。静かに歩いてくれ、頼む。
起こされてしまうと私もトイレに行くことになります。結局、朝までに三度か四度、娘のドスドスという足音で目覚め私もトイレに行く羽目に。ぐっすり眠らせてくれよ、頼むよ。
朝、やはりドスドストイレに行ったあとの娘に「薬飲んで」と声をかけます。
「起こさないで」「あっち行け」「死ね」
ひどいなあ。本当にひどいよ。
何もかもイヤになった私は朝食も摂らずに過ごします。途中で目が覚めたとはいえ薬が効いてよく眠れたのです、おかげで少し頭が軽い。頭が軽いはおかしいな、頭の重さが無い状態です。
だいぶ経って娘がドスドスやってきました。なにか食べたいそうです。先ほどの不機嫌は収まっていました。御機嫌まではいきませんが、明るい表情です。娘も寝不足だったのかも。
朝食はクラッカーとカフェインレスコーヒーとサラダで。私は娘とは別に白身魚のフライとフライドエッグとレタス。マヨネーズとスイートチリソースで。そこそこ満足です。
歯痛と頭痛は収まりました。ロキソニン、本当に効くなあ。助かりました。
昼近くなって、娘がまた何か食べたいそうです。
「なんにもないから買ってくるね」
「買ってきて」
日めくりのカレンダーをめくった娘が「思い出した」と言っています。
「パパ、お誕生日おめでとう」
そうです、今日は私の誕生日です。どんどん死に近づいていると思うと嬉しくないです。人生の宿題も果たさずに死んでしまうんだな、悲しいな。
「パパの誕生日だから、ケーキ買ってきてあげようか」
私が娘にケーキを買ってくるのです。
「買ってきて」
それを娘が食べるのです。
それはそれでいいか。
いつものスーパーへ。ショートケーキとチーズスフレ。安いけど、これでいいです。他にも色々と買い物。夕食は鶏肉と大根を煮るかな。
帰宅。娘とケーキを食べます。美味しい。
食後、娘は独り言が止まりません。
「今日、パパの誕生日だから、頼むから今日一日ぐらいは喋るのやめて」
何度も頼みますが無駄です。
喋り続ける娘。
正直、軽めの殺意を感じるぐらい腹が立ちます。まあ、言ってるだけですが。
夕方、電話が。(元)妻です。
「誕生日だから好きなもの作って食べていいよって言おうと思って電話した。キムチ入れたなんか食べなよ」
そのあと、いつものようにまためっちゃ面白い話をしてくれました。
面白い、面白いよ、(元)妻。さっきまで娘に腹立ててたのに、こんなに楽しい気持ちになるなんて。
腹を抱えて笑ったあとはしばらく真面目な話を。今、この状態で私が倒れたりしたらどうにもならなくなるわけで、そのあたり、どうにか考えておかないといけません。私が家でも出先でも具合が悪くなった際にどうやって(元)妻に連絡するか。娘はまったく当てになりません。というか、娘が当てにならないからこんなことを心配しているのです。
「でも復縁はしないよ」
いや、そりゃそうだろ。わかってますよ、そんなことは。
そのあとまたくだらない話で笑わせてもらいました。
夕食は鶏肉と大根をシャトルシェフで煮込むつもりでしたが、やる気がなくなりました。
「カップ焼きそばでいい?」
「いいよ」
どうやら娘はカップ焼きそばが嫌いではないようです。
今日の娘は風呂に入りました。よかったよかった。
娘が風呂の間に私の夕食です。鶏肉と小松菜をフライパンで炒めて酒・中華だし・ガーリックパウダー・味の素、それを湯取り法で茹でたご飯に乗せて5分間蒸らし、皿に盛ってから味変のためにスイートチリソースを。適当にエスニックな感じの適当料理。汁気多めが大正解。大変美味しゅうございました。
風呂から上がった娘は私が何度も何度も何度も何度も「パパの誕生日ぐらいひとりで喋るのやめて」と頼んでもやめてくれません。なんでなんだろう。不思議。
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