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強者による露出独占を緩和するために多分Instagramがやってそうなこと | インスタグラムマーケティング

2020年はパンデミックの影響もあり、Instagramの新規登録ユーザーも増えた1年だったのではないかと思っています。

SNSのようなユーザー投稿型のプラットフォームを活性化し続けるためには、新規のクリエイターにどんどん参入してもらい、「このプラットフォームで頑張ろう!」と思ってもらえるような「新規参入ユーザーでも勝てる」環境を作っておく必要があります。

エンゲージメントの多いコンテンツにさらなる露出を与えるランキングシステムは「高品質な投稿を見せて閲覧者の満足度を上げる」「良質な投稿をする人をモチベートし、他者との競争心理を生み出す」という意味で優れた仕組みです。

エンゲージメントがあまりついていない投稿は低品質コンテンツである可能性もあり、露出を増やすことで閲覧ユーザーの離脱に繋がるリスクがあります。一方で既に周囲からの好評価を多く得ているコンテンツであれば、他の閲覧者にも喜んでもらえる可能性が高いため安心して他のユーザーにもオススメすることができます。

しかし、こういったランキングの仕組みだと

エンゲージメントを多く獲得できる強者がさらなる露出を得る
→ その結果さらなるエンゲージメントを得る
→ さらなる露出を得る

といった強者が露出を独占する構造になってしまいます。

プラットフォーム内に既に強力なプレイヤーが多数存在し、ランキングトップやレコメンドを独占する構図になっていると、新規ユーザーが参入してこなくなってしまい、長期的にプラットフォームは衰退の道をたどります。

強者だけが勝ち続け、極端にユーザー格差が広がり、新しいクリエイターが参入してこない。そんな状況を回避するためにInstagramがどのようにランキングやレコメンドをチューニングしているのかの推測をメモします。

「新鮮さ」の重み付けを重くする

Instagramのハッシュタグ人気投稿枠や発見タブレコメンドは、複数の要素のブレンドによってコンテンツが評価され、ランキングが決定されていると思われます。

例えば、
「いいね数、保存数といったエンゲージメント」
「ハッシュタグとアカウント/投稿の関連性」
といった様々な要素の組み合わせです。

それぞれの要素が同じ重要さでブレンドされているのではなく「Aは20%の重み付け、Bは30%の重み付け」のように重要度が異なる複数要素のブレンドです。

重み付け

ランキングを決定する要素の1つである投稿の「新鮮さ」の重み付けを、より重くすることで「ハッシュタグトップ結果の新陳代謝を良くする」ということができそうです。

時間とともにコンテンツ評価が減衰する仕組みにすることでランキングトップの流れが速くなり、多くのエンゲージメントを獲得した一部のユーザーのみが長期間脚光を浴びる状況を回避することができます。

ハッシュタグによって新鮮さやエンゲージメント数などの重み付けが調整されている可能性もありそうです。ハッシュタグによって「今起きてることを知りたい」というニーズもあれば「タイムリーさなど関係なく王道の情報を知りたい」というニーズなど分かれるからです。

例)
#時短レシピ
→ 大きな変化が起きづらいのでエンゲージメントなどの重み付けが大きめになる?

#渋谷ハロウィン
→ 「今年」の「今」何が起きてるのかが重要なので新鮮さの重み付けが重くなる?

複数のランキングを用意して一つにまとめる

複数のランキングを作り、それぞれのトップを1つのランキング結果に集約するということもできそうです。

例)該当#をつけている投稿のうち
①全体のエンゲージメントが高いランキング
②新規参入ユーザー○%のエンゲージメントが高いランキング
③「エンゲージメント率」が高い投稿ランキング
④保存数が多い投稿ランキング
⑤該当ハッシュタグに掲載されて過去のエンゲージメント率が良かったトップアカウントからの投稿を掲載する枠

このように複数のランキングで評価して、ハッシュタグの人気投稿の中に複数のランキング枠を用意するイメージです。

現に、630万投稿ほどされてる #グルメ のようなビッグハッシュタグにおいてもエンゲージメント数がそこまで多くない投稿が上位にガンガン表示されたりしてますよね。

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母数ではなく「率」で評価する

エンゲージメントの母数だけでなく、リーチ数に対する「率」で判断するということも有効そうです。

例)
・リーチに対して保存率が高かったランキング
・リーチに対していいね率が高かったランキング

一方で少数の良質なフォロワーを抱えたユーザーが圧倒的に有利になり、多くのフォロワーを抱えたユーザーが不利になるので、少数枠に留める、複数要素でブレンドして評価する場合は重み付けを高くしすぎないといった工夫が必要そうです。

エンゲージメントの発生元ごとにスコアの重み付けを変える

エンゲージメントの流入経路によって評価の重み付けを調整します。

例)
・フォロワーからのエンゲージメントの重み付けを低くする
・ハッシュタグ流入ユーザー/レコメンド経由のエンゲージメントの重み付け重くする

このようにすることでフォロワーが多いユーザーが圧倒的に評価される状況を緩和することができるかつ、フォロー/フォロワーという関係性があるから発生する挨拶的なエンゲージメントではなくコンテンツ自体への評価がより重視されやすくなりそうです。

また、Instagramというプラットフォーム内の話だけでなく、外部プラットフォームで影響力を持っている人がInstagramでも勝ちやすいという格差を極力少なくするという意味で考えると、Twitterなど外部サイト経由のエンゲージメントの重み付けを低くするといった対策をすることで公平性を保てるかもしれないなと思いました。

以上です。


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