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防災士の勉強ときっかけのはなし

この記事はフルリモートデザインチーム Goodpatch Anywhere Advent Calendar 2021 12日目の記事です。

鈴村と申します。プロジェクトの炎上って怖いですね、みなさん防災してますか?この記事は、自然災害と向き合う「防災士」の勉強をさせてもらったはなしと「きっかけが難しい」というはなしです。

防災士とは?

防災士とは「自助」「共助」「協働」を原則として、社会の様々な場で防災力を高める活動が期待され、 そのための十分な意識と一定の知識・技能を修得したことを日本防災士機構が認証した人です。

日本防災士機構

防災士は民間資格です。資格を取得しても特定の権利・行動の義務はありません。社会の防災リテラシーを高めるために自ら勉強し、できれば周りにも良い影響を与えて欲しいな、みたいなものだと解釈しています。

防災士?面倒そうだけどがんばろ!

昨年、地元石川県に新居をかまえました。夫婦二人で暮らしています。

入居して1年過ぎたころ、町会長さんから「町内に防災士がいないから、資格取ってみない?」とのおはなしがありました。まだ防災士についてはまったく知りません。新参モノだし頼まれごとは受けちゃお、という軽い意思で引き受けます。

初めてのお手伝いを頼まれた子どものようにウキウキです。まだ町内の行事にも参加できておらず、ごく少数のご近所さんしか面識がないため、頼まれごとは嬉しいのです。とにかく楽しんでやりきろう、合格しようというやる気は満ちています。

しかし内心は面倒だな、なんで僕なんだ、と思っています。リモートワークでずっと自宅にいるから暇そうに見えるし、子どもがいないので他のご家庭よりも余裕があるかもしれませんが、面倒なものは面倒です。

突然のことは普通に起きる

資格取得を引き受けた数週間後の夜、妻が仕事から帰ってくると、がっくりと肩を落とし不安な表情をしています。同僚が突然倒れ、救急車を呼び、その場にいた妻が胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行ったというのです。幸い病院に搬送後しばらくして意識が戻り、一命をとりとめました。

私にはタイムリーな出来事でした。防災士の登録は、消防署などが実施する救急救命講習の受講が必須要件です。妻の一件は救急救命講習のほんの数日前でした。妻がやったことは救急救命そのものです。

妻の一件は私のウキウキな思考を揺さぶるには十分でした。資格取得のモチベーションはもとからありましたが、救急救命や防災士の役割を自分ごととして意識し、自身や家族の安全のことを考えはじめます。

その勢いで勉強し、試験に合格しました。勉強をした感想は「もっと早く知りたかった。義務教育にしてほしい」です。

「ハザードマップ」や「旧耐震基準」等の正しい知識があれば、リスクのある立地・住居は避けられるかも知れません。ハザードマップを盲信して家を建てたあとに、近所の人から「大雨であそこが崩れたら、町内が天然ダムになる」と言われ、え〜!?となる悲劇も減るでしょう。「あそこ」とは私の自宅裏の一帯のことです。

最近追加された「1000年以上に1回の降雨」のハザードマップでは、自宅の目の前まで河川が侵食する想定です。ハザードマップは安心マップだ、ちゃんと見たから大丈夫。そんな誤った認識に気付いたことが、防災士の勉強で得た大きな収穫です。ちゃんと避難します。

自宅裏

学びのきっかけを何にするか

「義務教育にしてほしい」の理由として「きっかけが難しい」ということがあります。

ビジネスに直結する勉強はリアルタイムで役に立ち、自信につながって即ハッピーです。外発的・内発的な動機付けもたくさんあるでしょう。防災の勉強はどうでしょうか?生活が豊かになるわけではなく、いつ起こるかもわからないことに対して面倒な勉強をしないといけません。少なくとも私は名指しでオファーされるまで行動しませんでした。

何のきっかけもなしに防災の勉強を始めることは難しそうです。だとすると、みなさんが勉強するとしたら、どんなきっかけでしょうか?1000年に1度の大雨、それとも南海トラフ地震でしょうか?できればその前に学んで、被害を最小限にしたいですよね。

この記事がみなさんの勉強のきかっけになるといいなぁと思います。

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