【グレタさんを応援します】②

グレタさんは、自分の考えを言葉にし、まず自国で行動しました。それが見る間に世界に拡散し、国連でスポットライトを浴びることになりました。同時に発達障害のアスペルガー症候群であることも公表しました。

グレタさんを応援する二つ目の理由は、障害者というマイノリティにもかかわらず、マジョリティである既存勢力の社会に対して奮闘しているところです。私自身も同じ障害をもちますが、とてもあんな行動はできません。

そんな彼女を誹謗中傷してしまう理由は、先に書いた日本人特有の平等意識と、もう一つは、アスペルガーという障害の特性を知らないことではないかと思います。

アスペルガー症候群だということを横に置いておいて、彼女の言動を稚拙だとか整合性がないと単純に非難することはできません。

アスペルガーの特性の一つは、対人関係やコミュニケーション能力の障害があります。社会的な暗黙のルールやしきたりを理解するのが苦手で、他人や社会との距離感を図ることが困難なことがあげられます。またマイルール(自分の興味があること、考え、習慣など)に強い拘りがあり、それを阻害されるものに出くわすと突然キレたりします。自分で制御できません。つまり常識的な「フツーの対応」ができないのです。

それゆえ、彼女のようなアスペルガーの人は「常識がない」、「配慮がない」、「身勝手」と、定型発達(発達障害ではない人)の側の人からは見えます。実際、グレタさんは国連の講演会で怒ってましたね。トランプ大統領を睨みつけてましたね。フツーはやらないです。でも彼女はそのフツーの対応ができないのです。それが障害特性です。

それでも非難したいのなら、グレタさんに対してではなく、彼女を利用し利益を得よと目論む一部の人間に対してにして欲しい。うさん臭く思うなら彼女ではなく背後を疑うべきです。当事者と背景を混同して、非難の矛先を彼女に向けることはしてはいけない。

今後も彼女はこれまでと同じように、環境問題に対する信念については、一般常識を超えた言動をしていくでしょう。なぜならアスペルガー症候群は、生まれつきの脳の機能不全なので、病気のように治ることはなく、一生抱えないて生きていかないといけない障害だからです。

しかしながら、障害者である彼女を世間が祭り上げてしまった以上、社会は彼女に対して、「合理的配慮」を継続していく必要があると思います。飛行機に乗らないのがマイルールなら、相手が移動手段を検討するくらいのことは当然です。マジョリティがどんなに彼女の言動を非常識に思い、その存在を疎ましく思ってもです。

なぜなら、それを果たすことが彼女をヒロインに仕立て上げたマジョリティの「社会的責任」だからです。さらに言うなら「人間としての尊厳」です。たとえ障害者であっても、固有の特性を認め、その人の個性として共生していくというくらいの寛容さや、優しさをもってほしい。それが本当の人間としての平等だと私は思います。

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