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019:灰が降る街シリコンバレーで、最高の仕事に不可欠な要素を考えた|クレイジーで行こう!第2章

シリコンバレー、久しぶりの快晴

9月15日、サンフランシスコ・ベイエリアは久しぶりにキラキラと輝く太陽に恵まれた。こんな天気が見えなくなって、何のかんの、もう一ヶ月近くになるだろうか。そもそもカリフォルニアという場所は、一年365日のうち、300日以上が晴れという類(たぐい)まれな天候に恵まれた地域だ。

シリコンバレーの青い空

※シリコンバレーの青い空

ここに移住すると、日本の気象というものが、ある意味でいかに苛酷であったのかということに初めて気づく。北でも南でもない東京に住んでいても、夏における40℃近い酷暑と高い湿度、また冬には雪が降ることもあるほど寒くなる。カリフォルニア、特に北カリフォルニアの一帯は、一年中20℃を堺に上下10℃程度の過ごしやすい気候が続く。

ところがだ、今年は異常気象というよりも、カリフォルニアを襲った前例の無い山火事のおかげで、8月中旬から1ヶ月近くに渡り、空に煙(けむり)がずっと滞留している状態で、朝から曇り空(煙なので、雲による曇り空ではなく、煙によるそれなのだが)が続いていた。

後でまた触れるが、人間なんていう生き物は、天気が変われば気持ちも変わる。この影響は大きく、ただでさえコロナだ何だで外に出にくい生活をしているにも関わらず、この曇り空のおかげで、目に映るものすべてがグレー掛かって見えるわけだからたまらない。根が明るいだけが取り柄の僕といえども、この天気にはめげそうになった。

灰が降る街

ウォール・ストリート・ジャーナルの記事によると、そもそもの発端は、8月半ばに2つの弱い熱帯性低気圧がカリフォルニア北部を通過し、約1万5000件とも言われる雷が、森林や雑木林に落ちたことなのだそうだ。これが、8月の史上最高気温を記録するほどの熱波(ヒートウェーブ)で既に乾燥していた山林に追い打ちをかけた。

落雷のため地域一帯に数百の火災が発生。そのうちサンフランシスコ・ベイエリアで起こった3つの火災はカリフォルニア州史上で最大規模となったとのこと。カリフォルニア州では先週までに300万エーカー(約1万2140平方キロメートル)以上が焼失した。これは前年同時期の合計焼失面積の10倍に上るのだそうだ。

この山火事を原因として、焼き尽くされた木々が灰となり、すぐさま風に流されて、やがてカリフォルニアの空を覆った(実際には、カリフォルニアより北の、オレゴン州、ワシントン州までも覆った)。

圧巻だったのは、忘れもしない9月9日だ。朝起きると、空がオレンジ色に輝いている。なんとも幻想的な光景に目を奪われた。外に出ると、映画『ブレードランナー』で見たような、未来都市を想像させる景色が目の前に広がっていた。僕はある種野次馬根性たっぷりの性格でもあるから、車を走らせて州道沿いに停め、動画を撮ってすぐにFacebookでこれを流した。

灰が降る街

※シリコンバレーに灰が降った日(9月9日に筆者撮影)

運動と天気の、知られざる効能

さて、詳細はプロジェクトがローンチされてから書きたいが、6月から、僕はフラクタの新しいプロジェクトを積極的に進めるべく、ものすごい時間とエネルギーを使ってきた。外部のアドバイザーや弁護士と協働しながら、プロジェクトを設計していく。

自分が実現したいと思う世界観を、プロジェクトとして、技術的、経済的、社会的な形で織り込んでいくのは、通常のエネルギーレベルでは足りず、そこには何か追加的な燃料の投下が必要になる。僕にとって、この追加的な燃料として必要なものは、強度の運動、天気、明るい人との会話、カフェで飲む一杯のコーヒー、あたりだと思っている。

ブラジリアン柔術、サーフィン、何でも良いが、強度の運動をすることは、頭をものすごくクリアにする。経営者にトライアスロンをやっている人が多いとか多くないとか、そんな話を聞いたことがあるが、僕的にはものすごく納得感がある。僕は昔から、何か大きな仕事を進めようとすると、身体が勝手に運動を求めるという習性があることに、数年前ハッと気づいた。

本当に不思議なのだが、自分の仕事を振り返っても、勝負の時が近づくと、数ヶ月単位で、身体が勝手に運動に向かう。今は週に7日運動しているが、週5日は強度の運動を1時間半くらい行う。運動とベンチャー企業経営は、僕の中で基本的に共存関係にある。それくらい経営というのは苛酷なものなのかも知れない。

そして天気だ。9月9日のオレンジ色の空は素晴らしかった。ただ、これが毎日続いたのではかなわない。シリコンバレーから何故こんなにも多くのイノベーションが生まれるのか、それは天気が良いからだ、という話を聞いたことがある。この話にも、僕は多いに納得する。晴れているだけで、気分が晴れやかになる。深い理屈など無い。現に、夏目漱石は天気の悪いイギリスに留学してうつ病になったじゃないか。論より証拠である。

シリコンバレー(=サンフランシスコ・ベイエリア)から天気を取ったら、その価値は半減すると今でも思う。かように天気とは重要なものなり、ということだ。その意味で、この一ヶ月は辛かったし、今朝から続く明るい陽射しは、自分を希望で満たしてくれる。

暗い人と話をしてはいけない

天気と同様に重要だと僕が思うものに、明るい人との会話がある。性格が「明るい」ということが、遺伝的な要因か(遺伝形質か)、はたまた後天的な獲得形質なのかは分からないが、ベンチャーを成功させたければ、プロジェクトを前に進めたければ、周りにいる「明るい人」を探して話すべきだ。決して、暗い人と話をしてはいけない。

日本では、「与えられた環境というものは所与のものだから、その中で生きよ」と強く刷り込まれる。公立の小中高で育った僕もそう教わった。しかし、アメリカというより、ここシリコンバレーはそんなところでは無いようだ。それが学校であれ、職場であれ、「環境というのは自分で選ぶもの」という前提が広く行き渡っているように思う。

同級生でも、嫌いな人と話をする必要はない。つまらないサラリーマン会社は辞めれば良い。僕はちょうど自分が30歳になった頃、神から啓示があったかのごとく、心からそう思うことができた。そう思い、また行動に移したことで、多くのことが前に動き出したのだ。

30歳を超えるまで、自分自身をよく知らなかった

カフェで飲む一杯のコーヒーが、自分の人生にとってこれほどまでに影響があることを、最近また再確認している。ロックダウンの際、自宅で飲んだコーヒーは、残念ながらカフェで飲むコーヒーとは比較にならなかった。今朝、トムとオフィス近くのカフェで飲んだラテ(カフェラテ)は非常に充実した味わいで、自分の血管の一本一本に沁み渡るようだった。

こんな小さなことで、僕がどれだけ幸せな気持ちになったか。これでたったの500円だ(日本より少し高いだろうか)。晴れ渡るレッドウッドシティのダウンタウン。太陽の香りをかぎながら、きちんとしたエスプレッソ・マシンで心を込めて淹れてもらったラテに叶うものはない。

9月15日、今日はこの全てが久しぶりに揃った日になった。夜明けの太陽を確認しながら早朝から運動に出かけ、カフェで熱烈に語る明るいトムとコーヒー(ラテ)を飲んだ。母がその昔言っていたことを最近思い出している。「自分というもの、自分の身体にどんな食事が合うのか、自分の身体がどんな時に調子が良くなるのか、30歳を超えるまで分からなかった」と彼女は言った。

本当にその通りだ。自分自身をよく知ることで、最高のパフォーマンスを追求することができる。このプロジェクトを成功させたいと思えば思うほど、上記の4つに忠実であろうと思った。皆さんも、もし良ければ参考にしてもらいたい。

(記事終わり)

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