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#2 男の育休”レジスタンス”スタート!②

さて、まず、第一になぜ、男の育休”レジスタンス”と言っているのか、その理由を最初に説明しておきたい。

これを書いている現在、育休取得から一定期間が経っている。
育休前、育児に関することをいろいろと調べたし、書籍もいくつか買って読んだ。

それぞれ、大変勉強になったので、実践に向けて、家に標語を貼って取り組んだりしているが、ポジティブにもネガティブにも大変参考になったのは、テレビ東京職員ながら漫画家もしているという異色の方、真船佳奈さんが書かれた『頼りになるのはスマホだけ!?』((株)オーバーラップ、2023年)である。

無痛分娩、出産後の入院生活、家に戻った後の育児生活、買っておいたほうがいいものなどなど、めちゃくちゃリアルで、かつ面白い内容。ゲラゲラ笑いながら妻と読んでいた。(そのおかげで、妻の無痛分娩の病院への依頼のタイミングがうまく言ったのではないかと個人的には思っている。)

ただ、ネタバレにならない範囲で書くと、この著者の旦那さんが育休をとった後の一コマ。奥さんはこんな台詞を言う。

一番つらいところは全部私・・・責任も全部私・・・(中略)育休だってなぜとったのか分からない・・・

こうなりたくない、育休前の夫は皆思っているだろうに、そうなってしまう現実。衝撃だった。

ちまた(ネット)には、この手の育休夫への不平不満もちらほら見かける。
「自主的に動いてくれない。」
「家事負担が(妻側)に偏っている。」
子どもが2人家にいるようなもん。役に立たないとかじゃない。むしろ負担が増える。」

直接的に、同世代の女性からも、こんなことを言われたことがある。
「男が育休とるのはいいけどさ、本当に役に立つわけ?私の周り、役に立たないって言ってる子多いよ。男が育休とったあと、その奥さんにアンケートとってほしいわ。役に立ったかって」

(もちろん、うまくいっているご夫婦もたくさん見かけるし、そういう記事や動画を見あさったが)

ただ、大前提として抑えなければならないのは、私たちの世代のパパたちは、「男性育休の第一世代」なのである。

内閣府の「男女共同参画白書 令和4年版」によれば、男性育休取得率が民間企業で、令和2年にやっと10%を超えたところである。同年の公務員は、地方で29%、国家で51.4%高い。大企業や公務員を中心にやっととりやすくなってきた、というのが実態ではないか。

内閣府「男女共同参画白書 令和4年版 」 第19図 男性の育児休業取得率の推移

つまり、今まさに育休をとっている男性陣が、「男性育休かくあるべし」というプラクティスをためている段階なのだ。

やってみないとこのタスクの多さはわからないし、ことに育児部門だけを切り出して、マニュアル化しているおもしろいお父さんブログがあったりはするが、産まれて、退院して、1日、1週間、1ヶ月、1年とたっていく中で、どのように夫婦で力を合わせて対応していくのか、「男性育休かくあるべし」、その全体像をわかるようにしてくれているものはあまりない。

女性側が出産から育児に流れるとき、病院でのサポートもある、お母さん、おばあちゃん、ひいばあちゃん、連綿と続く、育児メソッドが、世の中にあふれている。赤ちゃんを持つ(持とうとする)人をターゲットとした育児系の書籍や記事も、ほとんどが「ママ向け」のもの。

対して、男性はどうか。
ファザリングという言葉が出てきて、一部、そういう書籍もあるが、一回り上の世代以上は、誰一人育休なんてとったことがない世の中。職場のおっさんどもは、「そういう“時代だから”いいことだね。頑張って」と送り出す。でも本音は、おれらはそんなのしなくても子どもは勝手に育った。今はイイよな(甘えてるよな)くらいに思っている(と被害妄想強めな私は感じてしまう)。
そういう空気を感じているからこそ、仕事になるべく穴をあけないよう、育休に入るぎりぎりまで必死に仕事をし、育休取得時に何をすべきか、できるか、イメージする余裕がない。さらに、アクセスしやすい形で、「男性育休かくあるべし」をしる手段もあまりない。

結果、実際に、「男性育休かくあるべし」のイメージもなく、育休期間に突入し、(職場に無理を言って一生懸命育休をとったのに)どこまで、何を自分がやればいいかわからない状態になるケースが多いのではないか。

夜泣いてても、奥さんがおっぱいをあげて、そのまま寝かしつけまでする。結果、やることがない。だから、起きずに寝る。それに慣れていると、奥さんから陰で、「男は赤ちゃんが泣いても全然起きない。」と悪口を言われる。

さらに、もともと料理をしない人は、料理をしようもできない(し、やると台所が汚れて奥さんに怒られる=奥さんからすると仕事が増える)ので、おむつ替えと日中の寝かしつけ、沐浴くらいを適当にこなし、奥さんからは「結局あいつなんのために育休とったの。役に立たないわ。むしろ飯を作る量が増えて負担が重くなった。」と悪口を言われる。

ただ、切に思うのは、今の世の中で、「育休をとります」といって実際にとる男性は、「子どもができたことが嬉しくて、自分も子どもと向き合って育てていきたい」という比較的純粋な想いを持っていることが多い気がする。

上の世代の男性は、ほとんど育休をとったことがない状況の中、自身の仕事を1ヶ月とか半年とか、1年とか中断して、育休をとる。会社でこの声を上げるのは結構勇気も根性もいる話なのだ。

にもかかわらず、実際にとろうとするとき、あるいはとっている男性に対して、直接的に周囲から言われる言葉、ネット上であふれた言葉は、こういう純粋な想いはさておいてしまっている。

 
だからこそ、私は、私なりの「男性育休の一つの実例」をご紹介していくことで、次に続く育休パパたちの、一つの道しるべ(あるいは反面教師)になりたいのだ。

これが私の育休レジスタンスの表の側面である。

(続く;私の育休レジスタンスの裏の側面)

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