佐野元春「SOMEDAY」が発売から40周年/リスナーを歌の世界に引き込む仕掛け

またまた妄想で書きますがw
6月25日で佐野元春「SOMEDAY」のシングルが発売から40年ということで、伊藤銀次さんが「SOMEDAY」についての裏話を書いていたので、僕もこの曲について思うことを少し。


この曲のアレンジですごいなと思ったのはイントロ。
その初っ端のドラムのフィルだ。

ピアノのフレーズで始めることもできたはずだし、普通にカウント4つで始めることもできたはず。
なのに、ちゃんとドラムの"フレーズ"で始めてるんです。
これは、イントロが歌の導入部なのではなく、すでにイントロから描きたい風景があったということだと思う。

イントロのバックでは車のクラクションなど街のノイズが乗っている。
よく聞くと、初っ端のドラムのフィルが入る前に、すでにこの環境音は鳴ってるんです。
つまり、このイントロで描いているのは街の風景。
そして、ピアノのフレーズは行き交う人々ということになるでしょう。
演奏で街の風景を描くのは「Rock And Roll NIght」もそうだった。

「情けない週末」では言葉で風景を描いたけど、もはや音だけでそれができるまでに成長しているのだ。

このドラムのフィルは、曲を始める合図としてのカウントの役目と共に、リスナーを歌の世界の入り口に立たせる役目を果たしている。
普通のカウントだと、くるぞくるぞキター!となるけど、バスドラムの刻みと共に、一歩一歩自分の足で歌の世界に入り込んでいくように、手を差し伸べられているような感じがする。

この曲はよくブルース・スプリングスティーンの「Hungry Heart」のパクりだと言われるけど、「Hungry Heart」はモータウン風のドラムフィルで、イントロが始まるとキター!なんですよ。
フレーズのアイデアとして参考にしたのかもしれないけど、その意味はまるで違う。

一方的に自分の気持ちを伝えるのではなく、聴く人それぞれが自分の世界の中でこの歌を響かせてほしいという、この曲を本当に大事にしているからこそのアレンジだったんじゃないかな、と思った。

このフィル、元春が指示出したのかな?

偶然そうなっただけの可能性もあるけどねw

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