都会の自宅から、徒歩圏内で始めるバードウォッチング
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都会の自宅から、徒歩圏内で始めるバードウォッチング

川口貴史

 上の写真は、マンションのベランダから、中庭のメジロを捉えたものだ。僕の自宅は大阪市。コンクリートに囲まれた街である。

 バードウォッチングは深い山や森の中、あるいは、世界的に有名な大自然に出かけなければならない——。こんなイメージがないだろうか。

 実は、まったくそんなことはないのだ。

 バードウォッチングは意外と都市でも楽しめてしまう。

 日ごろ気がつかないだけで、身の回りには多くの生態系が存在する。街路樹や道端に生きる雑草や昆虫——それに野鳥は、僕たちヒトにとってもっとも身近な野生動物である。

耳を澄ませて近所を散歩してみよう

 朝、目を覚ましたら窓を開け、野鳥のさえずりに耳を傾けてみよう。そうして声が聞こえる方向を注意深く観察する。視線を一点に集中するのではなく、全体を俯瞰するように、漠然と眺めるのがコツだ。

 視界のすみで、何か動いた……!?

 もし鳥を見つけたら、驚かさないよう静かに観察する。そしてこう考えてみる「この鳥は、本当にスズメだろうか——」

 電柱や街路樹にいる鳥を、僕たちは「スズメ」とひとくくりにしてしまいがちだ。

 が、そんなことはない。

 都市部にもいる身近な野鳥の代表は、スズメ以外にシジュウカラ、メジロ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、ジョウビタキ、ムクドリ、カワラヒラなど、むろん地域にもよるが、想像以上に多くの種が生息しているものなのだ。

 日本には600種以上の野鳥が存在する。なるべく多くの種を観察し、コレクションを増やしてゆくのもの楽しみのひとつであろう。

特別な道具は必要ない

 まずは、身近な自然を目で見て耳で聞き、そして臭いを感じてみよう。

 ウグイスの鳴き声で春の訪れを感じることもあれば、冬鳥の飛来に秋を感じ、「そろそろコートの出番かな」などと思う。

 そうかと思えばヒヨドリのように年中うるさく鳴く野鳥もいるし、公園によくいるカワラバト(集団でいる、あのグレーのハトだ)は、緊張感がなく、人が近づいても逃げようとしない。

 家の周囲をぐるっと散歩するだけで、身近な自然の多様性を感じることができる。何も特別な道具は必要ない。手ぶらで歩いても十分に楽しいものなのだ。

 とはいえ、野鳥は警戒心が強く、近づいて観察しようとするとたいていは飛び去ってしまう。また、鳥の名前や種類を知りたくもなるだろう。図鑑や双眼鏡は、そうなってから——野鳥にもっと興味が出てきてから——用意しても決して遅くはない。まず目や耳で野鳥を見つけられないと、道具も役に立たないからである。

 ほんの少し視野を広げて身近な自然に気がつけば、自宅から徒歩10分圏内でもバードウォッチングを楽しめる。新しくアウトドアを楽しみたい人や、インターネットから離れてリフレッシュしたい人などに、ぜひおすすめしたい趣味なのだ。

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川口貴史
WEBライター / 靴用品アドバイザー。ライティングのご依頼を承るかたわら、靴業界での経験をもとに、靴用品の開発にも携わります。旅、山、日々の暮らしを発信します。