恋愛は「流行り」だ

NiziU(ニジュー)「Make you happy」をyouTubeで聞いた。1.9億回再生とは! すげー。若くて健康的な女子が、明るいポップなリズムで「うれしはずかし」な心を唄っているように(私には)聞こえます。AKB48より少しリズミックで、これが今の流行なのかもしれません。

と、そのとき、私のiPhoneに入っている「喝采」(ちわきなおみ)が鳴り出した(音楽再生させたままだったの、忘れてた)。でも、つい聞き惚れてしまいました。「今日も恋の歌、唄ってる」という恋の歌は、NiziUのMake you happy じゃないだろうな〜などと思いつつ、「あれは、3年前〜」という部分では、つい一緒に歌ってしまった。

いや、これは音楽が変わってきたという話ではないのです。フト、この時思ったのが、時代が違うと「恋の色」も違うのだな〜と思ったのです。

NiziUは2020年、「喝采」は1972年なので、その間には48年、約半世紀の時が流れています。2020の「恋」は総じて、キラキラ光るピンク色なんではないでしょうか。対して、喝采の恋は、しっとりした紺色ぐらいかも。

2020の恋は、クラブ活動の延長だったり、おいしい食べ物や、素敵なショップ行く楽しみよりは上ぐらいの位置かも。喝采のころは、感動、涙、時には悲劇のストーリーで綴らないといけないぐらいの話のようにも感じます。

時が変われば、それぞれの意味合いも変わるので、良い悪いと判断するものではないですが、ことのき私は「あれ? もしかして」と思いました。「もっと、さかのぼると、恋愛とはなんだったのだろう」ということです。

私は昭和30年代の生まれなので、もう叔父叔母は、みな天国に行ってしまいましたが、昔、ある叔母から聞いた話が忘れられません。「私が(あなたの)叔父さんに、初めて会ったのは結婚式だったのよ」という話です。叔母はお見合い結婚でもなく、両親から「この人なら」ということで写真だけで結婚を決めたそうです。決めたといっても、周りから「この人でいいわね」「ハイ」という感じだったのでしょう。この話をしてくれたときの叔母は、ちょっぴり残念そうな、でも「昔の話」という感じで伝えてくれたことを忘れられません。私の両親は(両親の話によると)恋愛結婚だったので、当時の私(10代)は、「結婚とは、恋愛か見合いで、それなりに両方が納得して決めたのだろう」と勝手に思っていたのですが、昔から良くしてくれて、叔父とも仲が良い叔母が「写真」だけで結婚した話を、最初はにわかに信じられませんでした。

話が長くなりました。ようするに昭和10、20年ごろって、恋愛結婚は誰しもが経験するもの「ではなく」、たまたまそうなった人たちもいれば、そうじゃない人もいたんですね、ということ。となると、今の恋愛事情を考えれば、昭和から令和の途中に「恋愛してもいいんだ、恋愛っていいね、恋愛したら結婚してもいいんだ」という恋愛が流行りだった時期(ブーム)があったのだろう、ということです。

と思って日本のヒット曲を探してみたら、似たようなシーンの歌がありました「愛ちゃんはお嫁に」(鈴木三重子)という曲です。僕は愛ちゃんが好きなのに、愛ちゃんは太郎の嫁になっちゃうんだ〜、という悲哀の歌のようです。好きだけでは結婚できない、結婚と好きは「別」という時代だったのでしょうか。

以下は、私の勝手な恋愛ヒットソング・ヒストリーです

「愛ちゃんはお嫁に」:好きと結婚は別。だけど、本当は好きな人と一緒になりたいな〜、という時代。

「有楽町で逢いましょう」:大人が、街中でカップルするのがカッコイイ時代の到来。

「瀬戸の花嫁」:好きな人に嫁ぐのが女性の幸せ! な時代。

「私の彼はひだりきき」:好き=結婚という連想がなくなった時代。好きは若者の特権だ!

「プレイバックpart2」:「女はいつも待ってるなんて」古いこと言わないでよ、という女性の時代到来。

「ルージュの伝言」:恋愛デビューは大学で、学生も恋愛OK! の時代到来。

「LOVE マシーン」:恋愛は日本を救う!

「Make you happy」:24時間、恋愛気分〜。恋愛はレジャーだ!

とすると、恋愛が「流行りだした頃」とは、昭和20年ぐらいなんでしょうかね。

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