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【必見!】AI時代を生き抜く裏ワザ!

近い将来、AIの普及によって社会のあり方にさまざまな影響が出ることが予想されています。これは我々人類にとって、人類史の大きな分岐点になると考えられます。

そもそもAIとは何なのでしょうか?

AIとは、Artificial Intelligenceの略です。人工知能の定義は、専門家の間でもまだ定まっていないのが現状です。さまざまな専門家がそれぞれの定義をしており、統一的な定義はありません。

「人工知能は人間を超えるか」の著者であり、AI研究者の松尾豊氏は、人工知能とは『人工的につくられた人間のような知能、ないしはそれをつくる技術。人間のように知的であるとは、「気づくことのできる」コンピューター、つまり、データの中から特徴量を生成し現象をモデル化することのできるコンピューターという意味である』と述べています。

人工知能は「特化型人工知能」「汎用人工知能」の2つに分けられます。

「人工知能を搭載!」「世界初!人工知能を使った○○」といったようなフレーズを最近よく耳にします。しかし、ここでいう人工知能は本当の意味での人工知能ではありません(特化型人工知能)。本当の意味とは、人間と同じように振る舞うということです(凡用人工知能)

つまり、なんでもできるドラえもんのような人工知能はまだ作られていません。汎用人工知能が完成した時、シンギュラリティ(技術特異点)が起きるといわれており、汎用人工知能が人間最後の発明になるとも言われています。

そんなAIによって、近い将来仕事を奪われるというネガティブな意見まで散見される今、どうしたら自分は活躍出来るのか、考察していきます。

1.人工知能に仕事を奪われる!?

発展を続ける人工知能技術の中で、世間では「人工知能が仕事を奪っていく」とまで言われています。実際に、人工知能が仕事を奪っていく未来はすぐそこなのかもしれません。

しかし、総務省「ICTの進化が雇用と働き方に及ぼす影響に関する調査研究」(平成28年)において、日米共にほとんどの職場で未だにAIが導入されていないのも確かです。

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また、英オックスフォード大学のオズボーン准教授らが論文において、人工知能に奪われそうな仕事のランキングを発表しています。

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(参)週刊ダイヤモンド「機械に奪われそうな仕事ランキング1~50位! 会計士も危ない!激変する職業と教育の現場」

1位は小売店販売員。「じゃあロボットが接客するようになるのか??」と想像する方もいると思いますが、どうやらそうではなくeコマースの使い勝手がさらに良くなれば、店舗の販売員が必要ではなくなるといったことのようです。確かにeコマースの利用がさらに加速すれば対人での接客は必要なくなるでしょう。

個人的に驚いたのは、安定と言われる中央官庁職員などの上級公務員までもがランクインしているということです。確かに個人情報などを機械が確実に管理できるとしたら流出も避けられますし、それに越したことはないなと考えられます。

1つの作業を繰り返す業務は、人間が行う必要がなくなってきています。しかし、それに伴って複雑な仕事が多くなって来ているのも事実です。人間はこれから複雑な仕事をする役割を担っていかなければならないため、さらなるスキルアップが求められるでしょう。

2.AIの普及で人間の仕事が不要になったら?

前述した様に昨今、AIが人間にとって代わり、多くの人々から仕事を奪ってしまうのではないかという懸念が聞こえてくるようになりました。たしかに最近のAIの進化にはめざましいものがあり、皆さんがこうした不安を抱くのももっともです。

とはいえ、技術の進歩によって働き方が変わることは昔からずっと起きていることで、過去の事例、例えば産業革命などから学べることも多くあります。問題は、AIの普及によって人間の仕事が不要になった場合、どう対応するかです。

AIが普及するにつれ、AIやロボット向きの仕事から置き換えが進むと思われますが、もともと新しい技術の導入に抵抗がなく、高齢化社会が進む日本なら、こうした動きは歓迎されるかもしれません。

一方で、人口の多い国、例えば米国のような国では失業者が増えることを嫌うので、受け入れが進まない可能性もあります。AIやロボットを受け入れる環境の違いは、そのまま国家の競争力を左右することでしょう。

AIが人間の労働を肩代わりするようになれば、一定額の世帯所得を保障するユニバーサル・ベーシック・インカムも検討されることになるでしょう。AIやロボットで社会が効率化されれば、人間は必ずしも働かなくていい時代がやってきます。

そこで出てくる問題は、仕事がなくなったことで、人生を生きる意味がなくなってしまう可能性もあるという点です。働くことによって得られる精神的な生きがいをどうするかは議論すべきポイントです。ひょっとすると、労働はすべてAIに任せ、人間は哲学や芸術、スポーツなどに励む古代ギリシャのような世界が実現するかもしれません。

こうなると、現在のお金の価値観も変わり、人と人の関係性の価値にも変化が現れるのではないかと思います。GDPのような国家の価値を計る指標に、家事や子育てといった社会的労働が考慮されるようになる可能性もあります。

3.AIと人間の協調

AIが人類の知能を超えるシンギュラリティ(技術的特異点)の問題については、かつてスティーヴン・ホーキング博士やビル・ゲイツ氏などの著名人が「AIは人類に悲劇をもたらす」とその危険性を訴えていたこともありました。

しかし最近ではこうした言説もトーンダウンし、科学者の多くが「そうはならない」と考えているようです。AIが自律することはありえなくはありませんが、それが主流になるとは思えません。

今でも人間やコンピュータなどが集団で知のプロセスを形成することをコレクティブ・インテリジェンス(集団的知性)と呼んでいますが、将来的には人間とコンピュータ(データ)が協調して仕事を行うようになるのではないでしょうか。

しかし、AIと協調し、さらに活用する際に問題となるのが、学習時のデータのバイアスです。例えば、米国の警察にはプレディクティブ・ポリシング(予測警備)といって、警察官がどの場所に行けば犯罪が防げるかをアドバイスするAIがあります。ニューヨークでは怪しそうな人を見かけたら警察官がその場で調べることができます。

しかし、同国では人種差別が根強く、黒人が多く住んでいる地域ほど逮捕率が高くなっています。つまり、このデータを使うとAIは黒人居住地域には怪しい人物が多いと判断することになり、ますます黒人が逮捕されるという悪循環が生まれてしまうのです。

このように、データにバイアスがあるとAIもバイアスの掛かった判断を下すことになるので、それをどのように排除するかが重要です。

この問題は社会倫理にもつながります。今の米国の政治や大統領選を見ても分かるとおり、社会的に善いとされる倫理と、みんなで討論して出てくる結論とが異なるケースも多く、単純に討論するだけでは高い倫理を備えたAIを作ることはできません。

このように、AIに高い倫理をどうやって教育するのかは大きな問題で、それは人間に倫理を教えるのと似ています。下手をすると、人間が持つ悪の要素をそのまま増幅してしまう恐れもあるのです。

どうやら、AIと人間が協調し合うには今現在どうしてもAIがサポートしきれない分野を人間が磨いていく必要がありそうです。

4.AI時代は何故人を不安にさせるのか

とはいえ、未だAI時代に不安を抱いている人も多いのではないでしょうか。それは、人間に取って代わり、仕事を奪うというネガティブな考えが残るからであると考えられます。

このなんとも言えない不安の正体を「専門家はAI失業の危機を語るだけで、その対処法を示さないから」と多摩大学大学院名誉教授の田坂広志氏は指摘しています。

「AI時代は想像を超えた失業を生み出すことになる。多くのビジネスパーソンが不安を感じているだろう。それは専門家がAI失業の危機を語るだけで、その対処法を教えてくれないからだ。また、勤務先の企業も能力開発を助けてくれるわけではない」と田坂氏は述べており、これが私たち人間の不安を煽る一因になっている事は確かです。

そこで必要になってくる事は大まかにただ一つ「能力を磨く」。これに限ります。

ではなぜ「能力を磨く」必要があるのでしょうか。その理由は明快です。AIの台頭、人生100年時代、学歴社会の崩壊が3大要因とされています。AIによって、論理に強いだけでは淘汰され、学歴もAIの前ではほとんど無意味になります。そして人生100年時代の到来で、能力を磨き続けることが必須になります。

つまり、これまでビジネスシーンで求められていた“基準”が、産業や社会構造の変化で一変してしまったのです。

これまでの工業社会では、高学歴者=優秀な人材であり、エリートコースが約束されていました。

ですがいまや、高学歴者=優秀な人材ではなく、職場で活躍する人材になることは約束されていません。

むしろ高学歴者には、対人的能力が低く、リーダーシップが発揮できず、革新を生み出せない人材が多い時代でもあります。逆説的ですが、こうした現実が、AI時代に活躍する人材に求められる能力を知るカギとなるのです。

5.AI時代に磨くべき3つの能力

「現代の知的労働に求められる能力は、基礎的能力、学歴的能力、職業的能力、対人的能力、組織的能力の5つです。この内、最初の2つは、AIによってそのまま代替されてしまいます。

一方、後の3つはより磨き上げることでAIに代替できない能力となり得るでしょう。

まず、職業的能力についてですが、これは、「知識」の修得力という表面的なものではなく、経験と体験を通して「智恵」を身につける体得力であり、さらにこれを部下や社員に教えることのできる伝承力です。

言葉で表せる「知識」の修得については、人間はAIには到底かないません。従って、言葉で表せない「智恵」、すなわち、スキルやセンス、テクニックやノウハウ、さらには、マインドやハート、スピリットやパーソナリティなどを身につけ、磨き、それらをしっかりと次の世代にも伝承できる能力が求められるということです。

次に、対人的能力は、単なる言葉を使ったコミュニケーション力ではありません。コミュニケーションの8割は、言葉以外によるものといわれています。これはまさに人間ならではの能力であり、AIには苦手な領域なのです。話し合いの後などに参加者の無言の声を推察し、その心の動きを想像するという修業によって身につく能力でもあります。

また、このコミュニケーション力の奥には、自身の苦労の体験から身につけた「体感的共感力」が極めて重要になってきます。それは、決してAIでは代替できない力でもあります。

最後に、組織的能力はズバリ、「心のマネジメント力」です。AI時代は人心掌握や統率力という言葉は死語になります。AI時代のマネージャーに求められるのは、部下やメンバーが仕事に働き甲斐を感じ、心が躍るようなビジョンと志を語れるかにあります。

また、部下やメンバーの成長を支えることができるかも問われます。その意味で、全てのマネージャーにカウンセラー的な能力が求められる時代がやってくるでしょう。

3つに共通するのは、AIの論理思考力と知識修得力では決して辿り着けない人間だけが発揮できる能力の世界があるということです。当たり前ですが、AIに負けず協調していく為には、AIが苦手なところ、逆にいえば人間ならではの強みを最大化することに他ならないのです。

以上のことから、我々人間がAI時代を生き抜き活躍していく為には、AI時代の到来を「危機」ではなく「好機」と思えるかどうかが肝になってきます。私たちが、より人間的な高度な能力を発揮できる最高の時代が到来した。そんな風に捉えられる人なら、AI時代においても、間違いなく活躍する人材となっていくと言えます。

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