実務経験ありの募集の罠

世の中にはいろいろバグがあって、有名なものの一つに実務経験あるやつしか募集していないという奴があるよな。会社は経験者の人材を求めているから、未経験からしたらそもそも経験を積もうとしても弾かれてしまっていつまで経っても未経験のままとかいうバグ。

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この状態から脱するには、いろいろな方法がある。どれにしたって、まず、冷静にその募集要項と会社の選考プロセスについて考えてみることで、取る道が見えてくる。ここから下は、いま流行のソフトウェアエンジニア(デベロッパー)のくくりで書く。他の業界も同じことではある。

採用プロセスの違い

特に、その会社が大企業なのかスタートアップなのかといったところは大きい。大企業ならば、選考プロセスはほぼほぼ固まっていて、融通は効かない。一方でスタートアップなんてガチゆるゆるで、ノリで入れたりもしなくはない。

募集要項の罠

また、募集要項っていうのは、なかなかに高いスキルを求めているような文言が採用ページに掲げられていたりするが、この実態を考えることも重要。これは誰が書いているのかというと、大体が人事担当の人で、エンジニアではない場合がほとんど。だからといって、的外れなことは書いてないにしても、中にいるエンジニアからしたらそもそも今貼ってある募集要項について何も知らない場合が多い。要するに、実態と離れた、採用のための採用のような内容が多分に書き加えられていて、こんな人が来てくれたらいいなっていう理想像を募集要項に書かれている場合が非常に多い。

この二つのポイント

1. 採用プロセスがどのようになっているか
2. 募集要項はどのような経緯で何のために書かれているか

というところを考えると、必然的に未経験の人材が取る手段は決まってくる。基本的な原則はこうなる:

- 融通の効かない大企業は無視
- 募集要項に騙されずに応募する

すなわち、小規模の会社に応募して、融通の効きそうなところで戦って採用を勝ち取るのが基本戦略になる。

大企業は、人材に困らない

なぜ大企業はダメか?大企業っていうのは、有名だし、基本的に人気。だから、募集要項で少々理想的な、神がかり的な人材を募集していたとしても、本当にそのような人材が来たりする場合が多い。それに加えて採用プロセスは多段階に分かれていて、融通が効かない。つまり未経験は基本的に取る理由がない。むしろ、大企業は腐るほど人が来るし、組織が大きいので、いますぐにいい人材を取らなければならねえんだ俺たちは!みたいな決死の行動を取る必要がない。彼らのモチベーションとしては、優秀な人材を取ることよりも、ハズレを引かないこと、の方が重要だと考えられる。だから、いわゆる減点方式になって、他に経験豊富な候補者がたくさんいる中で、未経験者を積極的に取る理由が、ほぼない。焦って、リスクを取る必要がない。

一方で、小規模の会社というのは、募集要項でどれだけカッコつけていたとしても、そんな人材はなかなかに現れない。また、採用プロセスも固まっていない場合が多く、融通が効きやすい。なので、未経験であったとしても、相対的に何か取ってくれるような理由を作りさえすれば十分に採用される可能性がある。ライバルが少ないし、相手との交渉の範囲が大きい。小規模の会社は、大企業と違って、多少リスクを取らねばいい人材を獲得できないというのもあって、未経験などの減点項目があったとしても、良い点が見つかれば採用する理由にはなり得る。加点方式になりやすい。


大企業は”優秀”な人材を求めているというよりかは、”優秀“でないかもしれない人材を徹底的に取らないようにしているというだけなので、そこを間違えないように。



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