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「かわいい」が苦手だったわたしと、髪を伸ばし始めた夏のこと

久々にマニキュアを塗った。

ブルーと白の背景に、夏らしいネイルシール。

これを塗った時は、まだ雨の多い、梅雨の明けきらない日だったのだけれど。なんだか一足先に指先に夏が到来したみたいで、誇らしかった。

「かわいい」が苦手だった

かわいいものが苦手だった。
キラキラ系女子とか、水玉のシュシュとか、アクセサリーとか、ハートとかリボンとかフリルとか。

どれこもこれも自分とは遠い存在で、洋服はもっぱらTシャツかパーカー、ジーンズ。
かわいいよりカッコイイと言われるほうが嬉しかった。

「かわいい」が苦手になったのは、いつから?

アルバムを見返すと、小学校就学前までのわたしはけっこうかわいらしい洋服を着ていた。
もちろん親の趣味もあるのだろうけれど、嫌がって着替えないなんてことはなかったし、当時のわたしはヒマワリ柄のワンピースを気に入っていたのだろう。

かわいいのが苦手になったのは、きっと小学2年生のときだ。

当時、髪にウェーブをかけるのにハマっていた。夜寝る前に髪全体をこまかく三つ編みにすると、朝起きた時には軽いウェーブがかかるのだ。
日曜日の夜、お母さんに10本以上の三つ編みを編んでもらった。月曜日、見事にわたしの髪はナミナミになっていて、ルンルン気分で登校した。

始業前の休み時間。
クラスメイトの男の子から「頭、爆発してるじゃん。ダッセー」とからかわれた。

その日の放課後、髪をバッサリ切った。
それ以来、髪は一切伸ばしていない。

本当は「かわいい」が好きなのかもしれない

かわいいものが好きだ。

カラフルなチョコレートをまぶしたドーナツ。
キャラクターもののハンカチ。
小さな三角がちりばめられた折り畳み傘。

どれもお気に入りで、なんだかほくほくとした気持ちになる。

自分をかわいく着飾ることには抵抗があるけれど、かわいいポーチを選んだり、小さく揺れるイヤリングを身に着けたりはできるようになった。

ずっと、自分は「かわいい」が嫌いなんだと思っていた。
でも本当は「かわいい」が好きなのかもしれない、と最近思っている。

その気持ちが、いくつかの出来事を通じて、封じ込められてしまっただけなのかもしれない。

マニキュア、サンダル、ワンピース。

今年の夏、新しい「かわいい」をたくさん仕入れた。

白のマニキュア。
キャラクターものや夏柄のネイルシール。
ブラウンのシンプルなサンダル。
黄色・グレー・白色のストライプのワンピース。
赤い三角がキラキラ揺れるゴールドのイヤリング。

クローゼットを覗き込むだけで、幸せな気持ちになれる。

この頃、小学2年生のとき以来ずっとショートヘアだったわたしの髪型が、ショートボブくらいになろうとしている。

かわいいヘアゴムを買ったので、髪を伸ばしてみることにした。
ずっとショートのほうが似合うと思っていたし(今も思っている)、少しずつ長くなっていくであろうドライヤーの時間が今から不安だけれど。

なんだか今年の夏は、新しい自分に出会えそうな予感がする。

わたしは、わたしらしく。「かわいい」も「カッコイイ」も大切にしたい

今でも、例えば白いフリルやピンクのリボンなど、過度にかわいいものはザワザワする。

ピンクもフリルも好きだけれど、合体技は勘弁願いたい……。
多分これは、誰かからの抑圧とかではなく、自分の本音。
もともと、きれいなドレスよりヒマワリのワンピースのほうが好きだった。

カッコイイのも、美しいのも、シンプルなのも、好き。
どれか一つに固執する必要はない。

だからこれからも、わたしはわたしらしく、「かわいい」と付き合いたい。

大きな花柄のワンピースを纏って、ブラウンのサンダルを履いて。
シルバーのイヤリングを揺らしながら、わたしは今日も、夏の日差しの中を進んでゆくのだ。

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