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Rizの相談サービスを支えてくれているみんなに、わたしが代表として伝えたこと

フリースクールRizでは、小中高生・10代の方へ向けた「LINE相談サービス」を提供しています。相談窓口をつくった直後はわたしがひとりで運用していたのですが、利用してくれる人が増えるのに伴い、チームでの運営に移行しました。

個々の相談についてはプライバシー厳守でスタッフ間でも共有されることはないのですが、「相談に対応するときの決まり事や共通認識」などはスタッフ間でシェアできるようにしています。

今回は、特に話し合うことの多い「既読がついてから返信までタイムラグが生じてしまう問題」に関して、わたしがフリースクールRizの代表としてスタッフのみんなに伝えたことを公開してみようと思います。

少し分かりにくい部分もあるかもしれませんが、できるだけ原文ママで載せています。

◆今回のメッセージを伝えた背景
Rizの相談サービスではLINEを利用しているので、メッセージを開くと「既読」が表示されます。ひとりぼっちで悩んでいる子どもにとって「既読のまま返信がない」ことはなかなかしんどいもの。
そのしんどさを軽減するため、既読がついても返信が遅れる可能性があることを予め周知したほうがいいのでは、という意見がスタッフから出ました。結果としてその周知はしないことを決めたのですが、その理由やRizとしての姿勢をスタッフにも共有したいと感じ、メッセージを送った次第です。

わたしが伝えたこと

最初の挨拶の時点で既読についての案内を加えることは、ちょっと慎重に考えさせてほしい…!

わたしたちが相談対応にあたる時、相談を寄せてくれている子どもたちの「今すぐ」のニーズだと既読の不安をなるべく軽減するのがめっちゃ大事なんだけど、わたしたちは「お医者さん」的関わりをするべきなのかなとも思っていて、

つまり、「お腹が痛い!薬がほしい!」という人に胃薬をあげるのは簡単だけど、もしかしたら異常があるのは脳かもしれない、その時に医者がやるべきなのは「いわれたことをする」ではなく「その人が本当に必要としているものを提供する」ことなのでは、と

わたしたちとの関わりは子どもたちにとって最後のセーフティネットになる可能性もあるので、安易に不安を与えることはなくしたいけど、
たとえば誰も既読をつけなかったとしても「既読つかない、ブロックされたかも…」みたいな不安はあるし、
担当者自身が既読つけてから「これはよく考えて返事したい…」と感じるかもしれない、ヒートアップしていて、時間をおいてまたあらためて話すべき時もあるかもしれない

最初の挨拶に文言を加えることに慎重になるのは、それを入れる=「わたしたちは“既読”をネガティブに捉えている」表明になりかねないためです

普通のコミュニティ、人との繋がりにおいて「既読から返信までラグがある」「既読がついたまま返信が来ない」は普通にあり得ることではあるので、「誤って既読をつけない工夫」と同等以上に、「遅くなっても返信は必ずする」ことをきちんと腹落ちしてもらうこと、「返信を待つ時にも意味がある」ことに気づいてもらうこと、を大切にしたいと思っています。

もちろん、急を要するケースもあるし、信頼できる関係性を築けないまま不安にさせるとそもそも繋がりが途切れてしまうようなケースもあるので、「みんなでフォローする体制づくり」「子どもに不要な不安を与えない接し方の工夫」は引き続き取り組んでいきたい。皆さんにもいろいろ意見出してくれたら、試してもらえたらと思っています。

ただ、あくまでわたしたちは「つなぎ」で、ゴールは「子どもたちが自分で信頼できる関係性を築けるようになること」であってほしいので、
そこを大切にしつつ考えていけたらー!!

(とはいえわたしはいま相談サービス自体にはあまり関われていないので、皆さんの意見も大切に大切にしながらRizとして考えていきたい~!)

あ、最後にひとつだけ。
Rizを頼ってくれる子たちと同じくらいにみんなのことも大切に思っているので、
「もっとこうしてほしい」
「ここはちょっとやりづらい」
「最近しんどい」
とかあればいつでも声掛けてください!いまは余裕あるので個別でも大丈夫◎

おやすみなさい~!

スタッフみんなに伝えて、感じたこと

今回スタッフに向けて伝えたことは、相談窓口を作った当初から考えていたことでした。

子どもたちの声に応えることと、未来のためになること。
子どもたちの身を守ることと、スタッフたちの心を守ること。

それらはトレードオフなものとして語られがちですが、どちらも諦められないし、共存できるものだと思っています。そのために必要なのが、わたしにとっては「お医者さん的な関わり方」です。

これまでスタッフにこの考えを伝えたことはなかったので、あらためて言葉にできてよかったと思うし、この話をしたあとに「同意します」「私はこうしたいです」など意見を寄せてくれるスタッフがいたことが本当に嬉しかった。

このサービスを通してわたしたちが相談に乗る時、目の前の子どもから見れば「わたし自身」以外の何者でもありません。しかし、わたしたちの言葉や行動の一つひとつには「Riz」の重みも加わります

ただできれば、スタッフたちには「わたし自身」としての考えや言葉を口にしてほしいのです。そのためにわたしたちが、「Riz」としての言葉を持ち、伝えていくことが大切だと考えています。

普段はスタッフたちに委ねてわたしは有事の際にのみ活動しているくらいなのですが、こういう考えやスタンスについては、日頃からもっと伝えていくようにしないとな、と思ったのでした。

***

Rizでは現在もかわらずLINE相談を受け付けております。信頼できるスタッフがお待ちしておりますので、ぜひ気軽に話しかけてもらえたら嬉しいです。

学校休校などの影響で相談が増えています。ご協力してくださる方がいらっしゃいましたら、こちらよりご連絡いただけますと幸いです。


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