見出し画像

おばあちゃん子がコロナ期間に始めたこと

私にとっておばあちゃんは特別な存在だ。


一緒にいるだけでほっとして、自然に元気になれる存在。いつも私の味方で会うたびに頑張ってるね、とか、その服かわいいね、とか、運転上手になったね、なんて褒めてくれる。嫌なことや辛いときはおばあちゃんの家に行ってエネルギーをチャージするのがお決まりだった。

それから、身近な人のなかで数少ない尊敬している存在。まず料理がおいしい。おばあちゃんのポテトサラダは甘くてフルーツが入っていて、箸が止まらない。そして年金暮らしで豊かなわけでもないのに、孫のための口座を一人一人作って毎月コツコツと貯金をしている。孫が7人もいることを考えると、頭が上がらない。


そんなおばあちゃんに、私は電話をするようになった。

そのきっかけは母親の一言だった。

「コロナになったら肺が弱いおばあちゃんは無理だろうな。」

足腰が年々弱ってきて、歩くのがゆっくりになったおばあちゃん。だけど、いつかいなくなるということを全く考えていなかった。この母親のセリフで、おばあちゃんと会えなくなる日がくることをリアルに感じた。


もしもおばあちゃんに会えなくなったら
きっと今のままでは後悔する。絶対にもっと話したかったと思うし、たくさん会いに行けばよかったとも思う。忙しいからっておばあちゃんの為に時間を使ってこなかったことを悔やむはずだ。


そう考えてから、おばあちゃんと電話で話すようになった。私が家からアルバイト先まで歩くときに電話をかけるのはお決まりになった。話題は大したことではない。というかもうパターン化されてる。

「よかった生きてたね」
『やっとね』
「今日は何してたの?」
『畑行ってたわ。これから何するの?』
「これからバイト」
『気を付けていくんだよ』

だいたいこんな感じだ。特に楽しい話題があるわけでもなく、あったことやこれからの予定を話すだけの。でも母曰く私からの電話が来るのが楽しみらしく、電話が来た日には元気が出てくるらしい。

これまで私はおばあちゃんに「出世しておいしいお寿司屋さんに連れていくから、それまでちゃんと元気でいてね」なんて言っていた。それでは遅いし元気でいるかどうかなんておばあちゃん自身にも分からない無理難題だ。だから今おばあちゃんが元気でいてくれるために、私ができることがある。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?