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ベテランアルバイト

アルバイトを始めたばかりのとき、塾長に「分からないことがあったら必ず聞きなさい」と言われた。

あれから2年。バイト3年目を迎えた私は、「(私)に聞いたらなんでも教えてくれるよ」と塾長が新人に言っているのを聞いた。


気がつけば頼りにしていた先輩方もどんどんいなくなり、私はバイトリーダーになりつつある。
自分自身が成長したとは全く思えない。今でも新しい生徒が来たら緊張するし、生徒にうまく教えられずにもどかしく思うことも多々ある。


ただ胸を張って言えるのは、ずっと続けてきたということ。私がアルバイトを始めたばかりのとき、ぶかぶかのジャージを着ていた中1の男の子は、今では裾が足りないくらい背が伸びて受験期を迎えた。


地道に生徒と向き合って来たという自負はある。顔を合わせるのは週にたった一度、それでも一年、二年と続くことで信頼関係は築かれる。生徒に信頼されるだけではなく、私自身もその生徒を信頼できる関係になることが、個別指導においては重要であることを思い知った。


こども騙し という言葉があるが、子どもを騙すことこそ難しく、子どもは大人のことをよく見ている。

子どもではなくて、人。



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