見出し画像

文化的豊かさのありがたみを知るために

 ハーバー・ボッシュ法は20世紀最大の発明だったと思う。化学者のフリッツ・ハーバーによって発明されカール・ボッシュによって工業化されたこの手法は、平時は空気からパンを作り、戦時には空気から火薬・爆弾を作るといわれ、実際に20世紀初めの世界人口は約15億人だったのが100年ちょっとで70億人を超えている。
 55億人もの人口の大半が飢えずに生きているのは、この発明によって空気中の窒素原子を使えるようになったからである。
 もちろんその後の戦争が長期化したのも、資源に乏しい国ドイツでこの技術が開発されたからだ。黒色火薬やTNT火薬など主要な爆発物には窒素が入っており、それは硝石という形でしか大量供給されなかった。

 空気中の窒素は三重結合しており不活性ガスとして扱われるほどに化学反応しない。ヘリウムとかアルゴンのような希ガスよりも安価に調達できる不活性ガスとして重宝されている。
 だからこそ、空気中の窒素利用は人類の悲願でもあった。
 実は一部の生物は太古の昔から空気中の窒素を利用している。ニトロゲナーゼという酵素が大量のATPエネルギーを使って三重結合を切って空気中の窒素を固定しているのだ。この菌は主にマメ科の植物の根っこに共生している。連作障害で土地が痩せてきたときに経験的に大豆を栽培するのは大地に窒素分を補給するためであった。

※この続きや日々更新される記事の全文は、個別購入以外にnoteにて月額864円の『堀江貴文のブログでは言えない話』への加入でも読むことができます。
★note版『堀江貴文のブログでは言えない話』
https://note.com/takapon/m/m6f25f310b0e9

続きをみるには

残り 350字

¥ 300

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?