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現時点におけるオウンドメディアの理想形「イケウチな人たち。」

「IKEUCHI ORGANIC(イケウチオーガニック)」というタオル屋さんがオウンドメディア「イケウチな人たち。」を2月1日にロンチしました。

▼イケウチな人たち。
https://ikeuchinahito.com/

▼イケウチオーガニック(コーポレートサイト)
https://www.ikeuchi.org/

まだ記事は少ししかないのですが、個人的には、現時点においてオウンドメディアのひとつの完成形であり、ひいてはマスプロダクト以外のマーケティングにおける潮目になるエポックメイキングな出来事だと捉えています。

なぜそう思うのか。ふたつほど理由があると思っています。ひとつは「コンテンツの届け方」、もうひとつは「コンテンツの作り方」です。

コンテンツの届け方

まずはこちらのページをご覧ください。
https://ikeuchinahito.com/about/

すべての「人」を感じ、考えながらつくった商品と、作り手の想いを感じながら、使う人の想いが重なること。そしてその先に存在する大切な人。共感しあえる人たちがつながり、そのつながりを大きくすることが、これからの豊かさを考えるきっかけになるのでは?そんな想いから、「イケウチな人たち」は生まれました。

ここから見えるのは、今までのマーケティングの主流であったピラミッド型のマーケティングファネル(ターゲットユーザーにぶつけてその後CPや広告でユーザーを追いかけていく戦略)から、作り手、ファンを中心に据え、そこからの発信に共鳴する人と手をつないでいく「同心円状型」のマーケティングファネルに変わってきているという点です。

▼詳しくはコチラから
インターネットの世界は「デジタル」ではなく「フィジカル」だ

ユーザーが受け取る情報量はここ10年で飛躍的に上がりました。それでも消費者が受け取れる情報量は増えることはありません。

▼参考(古いですが総務省が出しているデータです)
我が国の情報通信市場の実態と情報流通量の計量に関する調査研究結果

つまり、より広告が届きづらくなってきているということです。コンテンツも同様です。すぐに消費されてすぐに忘れられます。

そこから起きることは、コンテンツが大味になるということです。派手な物言い、競合比較をメインにしたメッセージ、そんなコンテンツで企業からの発信はひしめき合っています。

それでも忘れられてしまう。
結果的に同じようなコンテンツが並ぶことになるので当たり前です。

そんなコンテンツの反対にあるのは、使っている人からのオススメです。しかしながら企業側からコントロールするのは難易度が高い。やろうとしても、どうしたって使っている人の声が嘘くさく見えてしまう。インフルエンサー施策が機能しないことが起こるのもこの点からです。

そうなると、だんだんと作り手の想いを中心とした独善的なコンテンツが中心になってくる。これはファンなら嬉しいのですが(重要なコンテンツでもありますが)、その先のユーザーに広がりづらいデメリットもあります。

そんな中でいつもヤキモキするのですが、このメディアはその壁を乗り越えようとしています。それはまず「共感し合える」人たち(円の中心)から「語り出す」という絶妙な場所からスタートしている点です。

つまりこのメディアの本質的な価値は、「IKEUCHI ORGANIC」を好きであるユーザーを遠い「知り合い」と見立ててつなげる「コミュニケーション」にあるんです

作り手から強いファン、使ったことがある人からまだ使ったことのない人へ。そうやって「おすすめ」を語り出す人をつないでいく。誰かが誰かに語って動くマーケティングモデル、つまり「同心円状型」のマーケティングファネルなんです。

コンテンツの作り方

さらに特筆すべき点はこのメディアを作っているメンバー(クリエイター)です。

このメディアは、イケウチオーガニックの広報メンバーを中心にして、社内外のクリエイターを巻き込んだチームとして動いています。

チームメンバーはIKEUCHI ORGANICの価値観に賛同するメンバーであり、且つIKEUCHI ORGANICのファンで構成されています。

広報担当自らが営業のように足を使って会いに行き、価値観を共有してからメンバーになっているという点も見逃せません

通常オウンドメディアを作るときはここまでメンバーにこだわれません。質のいいアウトプットをしている人にクオリティの高いコンテンツを生み出してもらうことを主眼に置きます。だから「価値観」までは統制できないのが通例です。

また、チームメンバーはそれぞれが副業、フリーとしてwebメディア界隈で活躍しているためTwitterやブログなどでも人気の方が多いのも特徴です。それがこのメディアは個人単位でどんどん発信し、メディアロンチ前にすでに新しいファンを獲得していました。

つまり意図せず自然と「ティザー」が機能してしまっていたんです。

さらには、こうしたクリエイターのチームは自然、その価値観に合うクリエイター(発信力のある人)を呼びます。そうなれば雪だるま式にチームが熱量高いものになってくることも予想できます。

これまでの主流だった(お金を払って)インフルエンサーに投稿を依頼し「おすすめ」してもらうのではなく、クリエイター自身が語り出すことで、拡散につながっている点もこれまでの潮流の逆を行くものだと思います。

現時点ではクリエイター(もしくはその界隈)に届いた「円」になっています。今後はおそらく、noteなどで自発的にイケウチオーガニックのファンがイケウチ愛を語りだしていくと思っています。

そのファンをゆるやかにこのメディアはつないでいき、少しずつ大きな「円」にしていくのだと思います。

長くなりました。

webマーケティングの中でもとりわけマス以外のブランドについては今後確実にこの方向に舵を取ると思っています。

というわけでそんな「円」に入るべくイケウチオーガニックを買って使い倒そうと思います。

「円」は言い換えれば「輪」であり、「縁」でもある。これから「イケウチな人たち。」はなかなか気持ちの良さそうな場所になりそうです。

【追記】みなさんの声

公開してすぐに色んな方から声をいただきました。「イケウチな人たち。」についてやオウンドメディアについてなど。せっかくなので僕の投稿にリアクションくれた方や、「IKEUCHI ORGANIC」や「イケウチな人たち。」について触れているnoteやTwitterについてここで並べさせていただきます。


「本質的に想いがあるから」という鳥羽さんのご意見は僕も本当にそう思いますし、「ワクワクする」と書いた長田さんや「つい書きたくなる」と書いた田中さんに通じるのは「応援したい」「見届けたい」という想いで共通していると感じました。

そして社長までこの記事を見てもらっている...すごいことだと思います。個人的に感じたのは、こうした「想い」の伝搬は採用にも非常に有効であるということです。

ますます「イケウチな人たち。」から目が離せないですし、今後こういったコンセプトのメディアが増えてきたら面白いと思いました。確実に言えるのは、これはしっかりビジネスにつながるということです。「オウンドメディアは稼げない」という今までの通説は今後確実に覆ります。

同じ想いでいる方がいればぜひお話聞かせてほしいです。


ありがとうございます。 サポートって言葉、良いですね。応援でもあって救済でもある。いただいたサポートは、誰かを引き立てたたり護ったりすることにつながるモノ・コトに費やしていきます。そしてまたnoteでそのことについて書いていければと。