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「副業するなら」を考えていたら

ニュースでも個人のつぶやきでも「副業」という言葉をよく見かけるようになりました。友人や同僚と話している時にも副業の話題が出てくる機会が増えてきました。

副業解禁されたら何やりたいかな?とか、早く解禁されないかな?とか、そうは言ってもやりたいことはないな、とか。

僕自身、副業ではないですが、物書きの執筆を依頼されたり、どこか(地域だったりイベントだったり)に出向いて「お話」をしたり、となんだかんだ本業以外のことを依頼されることがあります。

仮に副業が解禁されたら、おそらく前述のようなことをもう少し表立ってするような気もしているのですが。

副業。

副業の「副」には「主なものに伴って補佐となること。また、そのものや人」という意味があります。

たしかにそうだなぁと思うわけです。ただ僕自身を振り返るとそれだけではないようです。

端的に言えば、主なものと伴っているものの主従の関係が、時間を経るほど曖昧になってきているということです。

新卒で入社した会社では、インターネット広告の「営業」をしていました。一言でこの仕事を説明するならば、マーケティングの知識を持って、クライアントと話し、説得し、納得させ、広告を出稿するためのお金を出してもらう仕事です。

おおよそ6年間営業をやった後出版社に転職し、培ったwebマーケティングのスキルを活かすべく、webメディアを起ち上げることになりました。

出版社にとってはインターネットサービスは新しい取り組みで、はじめは理解されませんでした。なのでまず必要なのは仲間集めでした。

賛同を得て前に進めるために、とにかく社内外色んな人に話しました。大なり小なり、日々プレゼンをしていたように思います。

その時は夢中でしたが、今振り返ってわかるのは、代理店の頃に営業をやっていなければ、おそらくメディアは起ち上がっていなかったということです。

時に懐柔し、時に突っぱね、そんな営業にはとても重要な(だけど地味な)スキルの方が、webマーケティングの知識よりはるかに役に立ちました。

メディア運営は5年くらいしたでしょうか。その間勉強のためにとブログで書くことも始めました。ブロガーやインフルエンサーがどんな風に人気を得ているのか探るためにTwitterも始めました。

メディアのプロデュースが本業だったのであまり必要のないスキルだったのかも知れませんが、不思議と書くのは面白く、気付けば自身の運営したメディアでも書くようになっていました。

ちょうどその頃、とある眼鏡屋さんに感銘を受け、そのお店のことをブログで書きました。そうしたら店主の目に留まり、眼鏡屋のwebサイトで月に1本コラムを書いてくれないかとの依頼を受けました。

さらにはTwitterで発信をしていたら、いろんなコミュニティや個人の方からお声掛けをいただくようにもなりました。登壇や講師めいたことまでオーダーされるようになりました。そこでも1社目の「話す」スキルが役に立ちました。

そして、今ではwebマーケティングのスキルを活かしながら、メディアやコンテンツを用いて「ブランド」をよりよくしていくことを、本業にするようになりました。

こうして振り返ると、本業の中に副業があり、副業の中に本業があるような、伴っていたものが実は、地続きのようにつながっていることがわかります。

地続きを感じることを言い換えると「安心」です。なぜ安心するかというと、地続きなものを感じると自分のやっていることが常に「上乗せ」されているような気持ち良さを感じるからなんです。

「働くこと」を考えるタイミング(たとえば転職)になると、どうしても「好きなこと」とか「得意なこと」の話が出てきます。その都度焦ったり、吟味したり…要は途方に暮れ悩んでしまいます。そういう人が周りにいます。

でも、やってきたことをもう一回時系列で眺めてみると、そこには本業を支えていたスキルが見えてくるかもしれません。

そうやっていくつか並べられたスキルに「新しいこと」を上乗せしていけると、本業副業関係なく、働くことが楽しみになりそうじゃないですか?

うん。「楽しい」も大事だけど「楽しみ」も大事だなぁ。最近は、僕自身これからの僕が楽しみなんです。

ありがとうございます。 サポートって言葉、良いですね。応援でもあって救済でもある。いただいたサポートは、誰かを引き立てたたり護ったりすることにつながるモノ・コトに費やしていきます。そしてまたnoteでそのことについて書いていければと。