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【先行研究】キャリア・アダプタビリティの結果変数(4)職務内容プラトー

長く働いていると、時に停滞感を感じることもあります(少なくとも、私にはあります)。これを心理学的にはプラトー(plateau)と呼び、キャリア・アダプタビリティが職務内容プラトー(job content plateau)にネガティヴに影響する(例:キャリア・アダプタビリティが高いと職務内容プラトーが低くなる)ことが明らかになっています。

プラトーとは何か

私たちが働いていて停滞感を感じる際にはいくつかの要因があります。一つは、今回扱う仕事の内容自体に停滞感を感じることでこれを職務内容プラトーと言います。

他方で、マネジャー・ポジションの枯渇などにより、仕事の役割が発展していかないことから感じる階層プラトーという停滞感もあります。両者については、山本寛先生の書籍を読んだ際にまとめたのでご関心ある方は以下をご笑覧ください。

キャリア・アダプタビリティと職務内容プラトー

Jiang(2016)は、キャリア・アダプタビリティが職務内容プラトーに影響することを明らかにしました。さらに、両者の関係の間には、個人ー職務適合(P-J fit)と個人ー組織適合(P-O fit)の双方が部分媒介することを実証しています。

ざっくり言えば、働く個人が自身の組織や職務と適合していると感じていると、キャリアを進める能力が高いと職務内容に停滞感を感じることを低下することができるということです。

勤続年数と自己効力感も影響する

キャリア・アダプタビリティと職務内容プラトーとの関係に影響を与えているものは他にもあることが先行研究では分かっています。

Jiang et al.(2018)は、両者の関係性を調整するものとして、勤続年数(job tenure)と職務自己効力感(job self-efficacy)とが存在することを実証的に明らかにしています。


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