【読書メモ】次世代リーダーには変革型リーダーシップが求められる!?:『人と組織の行動科学』(伊達洋駆著)
経営者や人事トップへの調査を行うと、ここ数年の最優先課題として出てくるものは次世代リーダー育成が挙げられています。今回は、次世代リーダー育成あるいは変革型リーダーシップについて見ていきます。
交換型リーダーシップと変革型リーダーシップ
リーダーシップに関する理論は非常に多いため細かくは触れませんが、
伊達洋駆さんの『人と組織の行動科学』ではリーダーシップの枠組みを交換型と変革型とに類別して解説されています。両者について、伊達さんは以下のように端的に述べています。
交換型リーダーシップをわかりやすく行動レベルに落とし込むと、賞与や地位といった外的報酬を対価として提示することでメンバーに動いてもらおうとするものです。この部分だけを読むと随分と悪いイメージを持たれるかもしれませんが、組織のために将来のキャリアを示唆することはそれほど違和感がない話なのかもしれません。
とはいえ、外的報酬を保証できれば機能するかもしれませんが、外的報酬には限りがありますし、あったとしても反作用も生じます。非連続な変化が問われる現代においては変革型リーダーシップが求められ、変革型リーダーシップこそが次世代リーダー育成のポイントとなっているのです。
次世代リーダー選抜
次世代リーダーを育成するためには、次世代リーダーとなり得る人材を発掘・選抜することが必要です。『人と組織の行動科学』では、金井先生の「一皮剥ける経験」を引きながら、次世代リーダー=経験から学べる人材として、そのポイントを三つにまとめています。
将来の経営者の候補となり得るタレントプールを形成する際、直近数回の業績評価で選抜しがちです。仮に、コンピテンシー評価や行動評価によって選抜するしくみがあっても、現場への説明のしやすさからこの傾向はあるといえるでしょう。しかし、経験から学ぶ人材やアジリティの高い人材を選ぶ枠組みを設ることが次世代リーダー育成の第一歩として必要なのかもしれません。
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