【論文レビュー】能力開発の主体は個人ではなく企業である!?:労働政策研究・研修機構(2023)
キャリア開発の主体は個人にあるとするキャリア自律が日本企業でもよく言われるようになってきました。では、能力開発についてはどうなのでしょうか?企業が開発主体なのか、個人が開発主体なのか、どのように企業では捉えられているのでしょう。労働政策研究・研修機構さんが調べてくれています。
能力開発の主体は企業
まず結論から言うと、ほとんどの企業では、企業が能力開発の主体であると回答しています。
こちらの表をみると、約83.8%の企業が能力開発の責任は企業にあるとしています。思いのほか高い値で個人的には驚きましたが、みなさんはいかがでしょうか?
企業の能力開発への意欲
しかしながら、ほとんどの企業が、個人ではなく企業が能力開発に責任を持っていると回答しながら、驚くデータも提示されています。以下をご覧ください。
能力開発を企業が積極的に行なっているかどうかについての問いに対して、積極的に行っている企業は約43.2%です。つまり、ほとんどの企業が社員の能力開発に責任を持っていると考えながら、その半分程度の企業しか積極的に能力開発を行なっていない、と解釈できます。なかなかしんどい現実ですねー。
企業規模による差異
でも、うちの会社はけっこう能力開発の機会が多い気がするよなー、と思っていたところ、企業規模による差異があるようです。
1,000名を超える従業員数になると能力開発に対しての積極度合いが高まります。それでも61.2%なのでまだまだとも取れますが、1,000名未満の企業よりははるかにマシであると言えそうです。
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