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地球上全てが仕事場「フツー」の自分がテレワークに出会って起業するまでー後編ー

株式会社ニットの代表をしている秋沢です。

前回、私という人間の生い立ち~事業を興すに至った創業までの話の前編として、インターン時代までを書きました。いかに自分が「フツー」の人間だろうと思いながら、書いていました笑

良かったら、ご覧ください。

今回は、その後、社会人になってから~事業を興すに至った創業までの話をお届けします。

社会人になってから~数字を追う意味って?~

大学卒業後は、そのままインターン先の会社に就職。仕事のやり方がわかっていた事もあり、24歳でチームを任され、その半年後に営業部門の部長を任されるように。

まだ、会社も規模が小さく、勢いがあったので、大きな権限移譲を与えてもらい、自由に自分で考えて実行していく楽しさがありました。

会社の上場も経験し、そこから更に勢いをつけて成長しよう!という会社全体の熱気と一体感、投資やM&Aをかけていくスピード感も肌で感じました。

しかし、いつのころからか、どんどん上がっていく売り上げ目標に対し「この数字にはどんな意味があるんだ?」と疑問に思う事が増えました。会社が上場し、会社の規模も展開する事業も多くなり、自分が担う責任も大きくなっていく中で、会社が掲げるビジョンと目標数字の結びつけが自分でもできなかったんだと思います。「売り上げ目標を達成することは大事だけど、それは何のためか。それで誰が幸せになってるんだっけ?会社のビジョンを具現化させた事業のマイルストーンが数字であるべきなんじゃないか?それって本当に現状で表せてるんだっけ?なんか、しっくりこないなぁ、と。」
もともと、自分で事業立ち上げてみたい、という思いも重なって、2014年、32歳の時に「今がタイミングだな」と感じ、12年お世話になった会社を退職しました。

退職した会社には感謝しかないですし、今でも当社のサービスを多くの部門で利用いただいています。20代を仲間と没頭するほど仕事を任せてもらった経験は今の自分の礎になっています。

ニート時代~自分との対話~

退職前から起業ネタをいくつも考えては、周りの先輩や友達にアイディアへのフィードバックをもらっていましたが、いまいち反応が薄い。そして、先輩から「これ、本当にお前がやりたいことなの?」と問われたときに、胸にグサッと来まして。当時に流行っていたビジネスモデルやテーマを少し変えただけのアイディアはやっぱり浅くて薄い。やりたいことではなく、儲けられるか、うまく立ち上げできるか、から考えたアイディアだったなと。

「何をそんなに焦ってる?どうせ、起業したらまた嫌でも必死に働くんだから、何をやりたいのか、をゆっくり時間を取って考えろよ。1年くらい遊んでおけ。」と先輩から言われたとき、自分の中で何かが腑に落ちた気がしました。

そうだ、俺は何を焦っていたんだろう、と。

勤めていた会社は起業家を多く輩出し、先輩も後輩もどんどん社会で活躍している。そんな中で、人と比較して「俺も早く成功しなきゃ。立ち上げなきゃ。」みたいな感情に支配されていたんです。

何のためにやるの?誰のためにやるの?

というシンプルで根源的な問いに答えを出す前に、会社を起業する手段を目的化させていたことに気づいたんです。そしたら、すごく楽になった。

「そうか、確かに1年くらいゆっくり自分のやりたいことを探すか」と気持ちをフラットに持って行けました。ただ、もともと怠惰な自分を制御することはできず、朝から晩まで何もしない毎日を過ごすことになるんです笑。  みんなが朝から働いてるときに、昼に起きて、夕方までワイドショーや再放送のドラマを見ながらゴロゴロする毎日。友人や後輩と飲みに行っては、起業準備をしている風なカッコつけをしながら、実は全然してないというギャップ。変な優越感に最初は浸りながら、最高!とか思っていたのですが、人間は同じことをずっとしていると飽きるんですよね。刺激も少ない事もあって、2ヶ月で飽きました。

Facebookで退職することを投稿すると、嬉しいことに仕事を少し手伝ってほしい、とご連絡をいただき、フリーランスとしてマーケティングや事業立ち上げなど少しお手伝いしてました。

そこから、海外旅行にでも行こうかなーとふと思いまして、もともとずっとやってみたかったアメリカ横断を2ヶ月くらいすることにしたんです。

サラリーマンのときも長めの休みと有給を合わせて、1週間くらいの海外旅行は行ってましたが、もっと長くいきたかった。世界にある絶景や映画でみた街並みを見たくて、欲張りに2ヶ月くらいでゆっくり回ろう、と。


ニット創業へ~テレワークが気づかせてくれた「自由さ」~

アメリカ滞在中は物理的にお客様を訪問することが不可能ですよね。そこで初めてオンライン会議やテキストコミュニケーションを中心にテレワークを実践。今では普通ですし、世の中でも市民権を得ていますが、当時の自分にはすごく新鮮で革命的でした。「パソコン一台あればどこでも仕事ができるじゃん!」と。それまでは当たり前のように、時間や場所を指定されて働いていましたが、どこでも仕事ができるテレワークであればストレスもないし、生産性が上がります。そして、何より好きなことを併用して仕事をすることができる。旅行に2ヶ月行きながら、仕事も一緒にする。仕事を理由に我慢してた事は一体なんだったのだろう?と思いました。
この体験から「この方法で人の働き方や生き方に変化を起こせるサービスがつくれないか」と考え始めました。この体験から得た「気づき」が、今もニットで大事にしている考え方である「ワークライフシナジー」のもとになっています。

世の中には、「働きたくても働けない人」が大勢います。その原因には「パートナーの転勤に伴った離職」、「子育てによってフルタイムの勤務の不可」「介護による働く時間の制限」や「障がいによる働き方の変化」など、人によってさまざまな理由があります。こういった「仕事以外のプライベートや個別事情」が理由で自分が好きだった・やりたかった仕事を諦めざるを得ない人にも働ける事が可能になる事がテレワークの本質です。

2020年は1000年に1度の歴史的な年となりました。奇しくも新型コロナウイルスがテレワーク時代を早め、人々の働き方や生き方を一気に見直す機会となりました。自分がどう生きたいのか?どんな働き方だと幸せなのか?を誰もが自粛期間中に考えたと思います。家族と一緒にいる時間が増え、それによって感じた幸せやストレス。自分にとって、より良い働き方が少し見えてきたんじゃないかなと思います。
同時に、企業も在り方を見直す期間でした。生き残りをかけて、どの企業も必死になりつつ、継続的に続くこの状況に、テレワークを本格的に導入する企業も増えています。

ここから本格的に新しい働き方や企業の在り方、働き手と企業の関係を模索するフェーズに入ると思います。

当社にもよくテレワーク前提の組織課題などをご相談いただく事が増えてきました。5年間以上、会社をテレワーク前提で運営してきましたので、少しでお役に立てるよう次回以降の記事でも発信してきたいと思います。


新しい働き方をつくり、世の中に選択肢を増やす会社 knit.incを経営しています。