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プログラマーアートでいい

自分一人でゲームを作ろうとしたときに困ることってなんでしょう?

幸いわたしはプログラマーなので、プログラムは自分で書くことができます。
ゲームのデザインだって、きっとやればなんとかなるはず(実際にはそんなことはまったくなかったんですけど)。
お金の問題はあるけれど、そこは手を動かして作ることとはまた違うのでいったん置いておきます。

まず一番最初に困ったこと、それはアート、ゲームの絵を作ることでした。

ビデオゲームは(ほぼ)必ず画面に何かが映っているし、動いています。
ふだん遊んでいるゲームは、とっても綺麗なグラフィックス、魅力的なキャラクター、もう現実かと疑うような背景、ド派手なエフェクトなど、とてもすごいもので、とてもとても自分で作れるような気がするものじゃないです。

インディゲームだって個性あふれる絵作りで、画面を見れば一発でああ、あのゲームだなーとわかるような魅力があります。



美術をずっとやってきたわけではないし、かっこいい絵をかけるわけでもないし、3Dでなにかをモデリングできるわけでもないし、写真や動画だって携帯で取るぐらいしかできないし、できるといっても落書きぐらいだし…。
自分ではまったく、絵をつくるなんてことは無理だよ…。


その結論として、よし、ほかの人に作ってもらおう、と安易に考えていました。

それまでは、ボックスやカプセルを組み合わせて、いわゆるグレイボックスでステージを作ったりキャラクターを作って、まずはゲームプレイを作ろう、と思って進めていました。
ゲームプレイが出たら、あとで絵を足してもらおう、載せ替えてもらおう、と思っていました。

ただ、そこから人を探すのもまた同じぐらい難しかったのです。

私が少人数で開発をはじめようとした当時(8、9年ほど前?)は、インディーゲームに興味を持っている人は今ほど多くはなかったので、インディーゲームに興味があって、絵が描けて、しかも自分のゲームを気に入ってくれてプロジェクトに参加してくれる人をうまく探せませんでした。

それでも、ゲーム開発者向けイベントで知り合ったUIデザイナーの人と一緒に組んでゲームを作ってみようとしたのですが、お互いインディースピリッツにあふれており、自分の作りたいゲームが作りたくて、なかなかうまくまとまらずに続けることができませんでした(その彼とは今でも良い友達です)。



どうしたもんかな〜。と思っていたところ、とあるインディーゲームのミートアップイベントで出会った人に、アートができる人が見つからないんだよ、という話をしたら、

そんなの、プログラマーアートでいいんだよ〜、うまくなくてもプログラマーが描ける絵だってゲームになるよ〜。僕はそうやっているよ〜。

とほろ酔いの感じの彼に言われて、
私はその言葉を聞いてとても衝撃を受けました。



あー!そうなのか!プログラマならではのアートでいいのか!と
へたくそでも自分でやってしまえばいいのか!と

確かにそう考えたら自分みたいな絵のかけないプログラマーでもやりようはあるなー、と思いました。

絵を描くならドット絵でもいいし、モデルを作るのでもローポリでもいいし、
ボックスなんかの簡単な形を組み合わせたり、幾何学模様でも、ゲームは作れることに気付かされました。
なんならコードで図形を書いたっていいし、Houdiniとか使ってもいいし、やりようはいくらでもありそうです。

できそうなところからやってしまえばいいんだよなー。
と気づきました。

絵の解像度を下げたり、ディティールを描き込めない方法を採用したり、プログラム的考えで作れるツールを選んだり、絵というよりもデザインに近い方法を選んだり、と、少しでも自分でできそうな方向に引き寄せてしまえば良いのだなと。

(今なら生成AIとかになるのかもしれませんが)

無理にかっこよくオシャレなものを考えずとも、
自分のできるところで、とっかかりだけでできることでも、なにか形にできればあとはプログラムで動かしてゲームにすることができる、
そんな簡単なことに気が付かされました。


その後、私はドット絵を見よう見まねで書き、アニメーションの付け方をYoutubeで習い、3DモデリングはBlenderでローポリを試してみるもいまいち難しかったので、MagicaVoxelでボクセルモデリングをし、なんとか自分のゲームのためのアセットを自分で作れるようになりました。
(この辺りはまた別の記事で書いてみたいです。)

少なくともぼくはこのやり方で、ひとりでもゲーム作りを進められるようになって、なんとか人に見せられなくもないぐらいにはなりました。

ぜひアートがなくて困っているプログラマーの方がいたら、試してみてください。

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