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「寄り添う」練習で思い出したこと

6月から3か月間、キャリアカウンセリングを学んでいました。
ちょうど11月に資格試験が終わり、結果を待っています。
練習していた時期のことを忘れないうちに、残しておこうと思います。

そもそも何故勉強しようと思ったか

人材業界にいるのでキャリア相談について体系的にきちんと学んで資格の一つも持ちたい、と思ったことがきっかけですが、自分自身のキャリアを見つめ直すきっかけにもなるのではという期待もありました。一緒に学んだ18人のクラスメイトは受講の動機もさまざま。人事で相談を受けることが多く、必要を感じている人から自身のキャリアを考えたい、誰かのセカンドキャリアを支援したい、という人まで。
コミュニケーションが得意そうな人が集まっていました。

ロールプレイをする中で繰り返し説かれたこと

カウンセリングのロールプレイをする中で繰り返し説かれることがあります。

「相手の目で世界を見て、そこで自分が理解したことや感じたことを、感情も含めて言葉にすること」

これが、とても難しい。
普段はあまり意識しないで会話をしているのです。つまり、

・相手の話の中で、自分が興味を感じた部分だけを質問する
・次に自分が何を話そうか考えながら、相槌を打つ
・自分が話したいことを話す

相手の話をまるごと受け止めようと思ったら、スイッチを切り替えないといけません。

はじめのうちは、「相手の話を記憶すること」に注力していました。事実を間違えなく捉えられるよう、聞き漏らさないようにと集中していました。

ところが、相手のフィードバックを聞くと、「整理してまとめてもらっているが、深い部分で理解してもらえた、という感じにならない」と言われます。

なぜか。

そのとき感じた「感情」に触れてほしいから。
事実は標準的なもの。
その事実で感じたことは、その人にしか感じられない固有のもの。

その体験から思い出したこと

その体験から思い出したことが2つあります。

一つ目は、平田オリザさんが書かれた「演劇入門」という本に書かれていたこと。

近代はテーマがあったが、現代にはテーマがない。
その代わり、「自分の見えている世界を描写したい、表現したい」という欲求そのものが現代演劇になった。

それを読んだとき何を感じたかというと、「人って愛おしい存在だなぁ」ということ。

飛躍してすみません(笑)

自分が感じた世界、自分に見えている世界は、他の人にも同じように感じているのか?自分だけが取り残されているのではないか?
不安に思いつつ、それを確かめてみたい、理解してほしいという衝動。


その衝動が表現を生み出したのではないかと思いました。


孤高の表現家など本当はいなくて。確認せずにはいられなくて。
その姿を想像したとき、めちゃくちゃ愛おしく感じてしまったのですが。
こう感じるの、私だけかな?興味があったらこの本、読んでみてください。

つまり、相談に来られる方は、自身の経験や感じたことをまず理解してほしい、という思いを持ってこられるということです。

二つ目は、我が家の反抗期の子供たちのこと。

散らかった部屋。机が見えなくなるくらい山積みにされたプリント。脱ぎ捨てられた洋服。置きっぱなしのペットボトル。
たまらず「片づけなさい」と言います。毎日です。毎日見るたびに言います。「整理された空間のほうが快適でいいでしょ」とか「虫がくるよ」とか「共同生活しているから他の人のことも考えて」とか。

けれど、一向に片づけない。

もしかして。子供の目で散らかった部屋を見たとき。
私とは違う世界が見えているのではないか?

確かに散らかっているけど。自分の空間だし。片づけようと思ったときに言われるの癪。毎回言われるから、意地でも片づけたくない。
人から言われてやるの嫌だし。ましてママからなんて。やるときは自分のタイミングでやるから放っておいてほしいんだけど。

という声が聞こえてきました(笑)

そして、あぁ、そうだよなぁ、と妙に納得してしまいました。

で、何を言いたかったかというと、「相手を理解しようとする」練習(ほんとこの練習はやりづらくて、自分でも笑うくらい不自然なぎこちない対応になっていたのですが)を積んだことで、視点の切り替えが少しだけ身についたんだと思うんですね。
私もそれなりに「子育て本」とか読んだりして「子供の目で見る」とかは書かれていたと思うのですが、文字で「理解した気になっていた」だけだったなぁと改めて感じました。
逆に、経験したことから本を思い出して読み返したりして。

「興味を持つ」→「知る」→「気づく」→「やってみる」→「気づく」→「身につく」のサイクルが面白い、というお話でした。

子供の部屋は片付いたかって?

えぇ、私が家を空けた週末に、スッキリ綺麗になっていました。

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