私、とは(221116日記)

私は学生時代、生物学を専攻していた。生体機能を化学の観点から解明したい。そして試験管のなかで有機物から生命を作り出してみたい。そんなことを夢見ていた。

メアリ・シェリーの小説『フランケンシュタイン』みたいですね。

気づいたら社会人になっていた。いろんな企業を応募したが、なかなか選考は進まず、結局唯一内定を得られたエンジニア派遣業に就職。専攻とはなにも関係のないエレクトロニクスの世界へひとり放り出された。生物学の世界へ帰りたいと、日々あがいていた。

はじめての仕事は車載モータの開発であった。電気にも車にも興味はなく、上司もスパルタ気質であったためエレクトロニクスの仕事は苦痛だった。

が。

理系気質というものなのか。モータの挙動のメカニズムを理解したあたりからだんだんと楽しくなってきた。物理、言い換えれば『物事の理』の理解が、私にはとても快感なのだったのかもしれない。職場でも最も数式で物事を考える人間であったと自負している。

はじめてできた後輩にはモータの回転運動の挙動を運動方程式を用いて解説し、少々ひかれたのを覚えている。その後なんやかんやあり転職したが、転職先でもモータの開発を行っていた。

これまではアナログ回路を得意分野としていたが、モータ開発の視野を広めるため制御の勉強に勤しんでいた。ある日、図書館へモータ制御の教科書を借りようとうろうろしていると、一冊の本が目についた。

『合成生物学』

まさに私が学生時代やりたかった、生命に関する学問だ。

しかし

私は

この本を手に取らなかった。興味は モータ制御 > 合成生物学 となっていた。気づけば私はエレクトロニクスの人間になっていた。

この話は1年ほど前の出来事なのだが、この事実をどのように受け止めれば良いのか未だにわからないい。自身がエンジニアへと進化したと捉えるのか、それとも生物学の研究者としての退化として捉えるのか。



私は今でも、自分が何者なのか詳しく理解していない。何をして生きていきたいのか。何が好きなのか。

やりたくないことを挙げるのは簡単だ。しかし。やりたいことを挙げることは、、、


いい年こいたおっさんが就活生みたいな悩みかかえてるわけ。自己分析足りてないよ。


また明日。おやすみ。

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