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映像エスノグラフィーが捉えるもの
久しぶりに映像エスノグラファーである大橋香奈さんと、大橋さんと同じ慶應義塾大学政策・メディア研究科で学んだジョイス・ラムさんの映像を見に、藤沢アートスペースまで出かけた。大橋さんは、私が何度か書いている〝Home in Tokyo〟のナビゲータを務めた、いわば私の先生のような立場の人だ。ジョイスさんとも〝Home in Tokyo〟で出合っている。
今回は、ジョイスさんの展示がメインで、その特別
そこに封じ込められた時代感。
パナソニック汐留美術館 開館二〇周年記念展
「ジョルジュ・ルオー かたち・色・ハーモニー」
汐留にジョルジュ・ルオーを見に行った。
パナソニック汐留美術館は、開館以来、ルオーの作品を継続的に収集し、
二〇二三年三月時点で二六〇点を所蔵しているそうだ。
今回は、フランスや国内の美術館などから、国内初公開作品含む
初期から晩年までの代表作約七〇点が展示される。
〝かたち・色・ハーモニー〟とは、ルオ
まさかの、3331 Arts Chiyoda閉館
「地域に開かれたアートセンター」を標榜していた3331 Arts Chiyodaが閉館するという。思いもよらぬアナウンスに接して、本当に驚いた。千代田区との契約が満了となるためだというが、なぜ更新されなかったのかはわからない。とにかく3331のこれまでを振り返る最後の大型特別企画展「3331によって、アートは『 』に変化した」が開催されていて、私がそのことに気づいたのは、最終日の二日前だった
もっとみるアーティストZINEの発行
共同主宰として関わっている「tuesday」という
アートコミュニケーション・ユニットで
藝大卒の若きアーティスト小久江峻さんの
ZINEを刊行しました。
ぜひ、記事をご覧ください。
誰かに違いない「彼女」たち。
江口寿史 イラストレーション展「彼女」
千葉県立美術館に江口寿史イラストレーション展「彼女 〜世界の誰にも描けない君の絵を描いている〜」を見に行った。
いやぁ遠かった。
約500点もの作品が展示されている。
いろいろと引っかかるものはあったのだが、
“ライブドローイング”のドキュメンタリー映像がまずもって面白かった。
目から描く場合があるかと思えば、髪から書き始めるときもある。
どの絵も江口
子どもの頃と交信する、私小説のような作品たち。
上北沢にあるギャラリー「Open Letter」で室井悠輔さんの「Bサイ教育」(会期終了)
という展示を見た。室井さんは1990年、群馬県生まれ。2019年に東京藝術大学大学院美術研究科グローバルアートプラクティス専攻を修了した作家だ。
それにしても、いつも「Open Letter」にお邪魔するのは、展示最終日になってしまう。なぜだろう。
ま、それはともかくまずは、室井さんのステートメントから
「私東京」という極私的まなざし。
考えてみれば、「東京」などという巨大なものを生きる術を私はもっていない。極私的な、その昔、椎名誠が半径5メートルの世界を書くと宣言していたように思うが、そのような個人的な世界を生きているのみだ。
そういうナノ的な世界が絡まりあって「東京」というものはできているのだろう。だからこそ、東京の一分子として、私たちが認識するもの。まずはそこにまなざしを向けようとしなければ、何も見えてこない。
「私東京」