見出し画像

ある日を境に幽霊が全く怖くなくなった話

私はいわゆる幽霊が全く怖くありません。
もちろん科学的に存在の証明が云々とかありますが、存在を完全に否定しているワケではありません。怖くないんです。
これには明確な理由・きっかけがあります。

きっかけは、10代前半のころ同級生を亡くしたことにあります。
どうして亡くなったか等は、ここでは敢えて省きます。
彼の死で、10代の頃の私が感じたり考えたりした事の100分の1くらいの小さな事に
「ああ。つまり幽霊は怖いものではない」
というものがあります。

彼が亡くなった日の夜、私は自分の部屋の窓を開けっぱなしにしました。
彼の家は私の家の裏にあり、彼が私の部屋を通ってクラスのみんなに挨拶に行くかもしれないと思ったからです。
彼が部屋を通るなら、私にも挨拶してくれるだろうか。
私はなんて言えば良いだろうか。など考えていました。
(後から考えれば、クラスのみんなが住む街の方角と私の部屋は反対方向なので彼が通る理由はなかったのですがw)

結局彼は現れてはくれなかったのですが、待っている間にふと思いました。
「ああ、彼の幽霊なら怖くないな。
 よく悪さする幽霊とかの話を聞くけど、彼はそんな人じゃないな。」

「そもそも幽霊って、どんな幽霊でも誰かの同級生だったり、息子・娘だったり親だったり恋人だったりするんだよなー。
どんな幽霊でも誰かしらの大事な人なんだよなー。
だから、その幽霊に会いたい人もいるわけだ。
それなのに第三者が『怖~い』とか言うの・・・失礼では?
さらに、幽霊だってせっかく幽霊になれたんだから、自分の大事な人に会いに行きたいはず。
知らん人に悪さしようとか思いつくだろうか?
もし自分だったら思わない。そもそもめんどくさいだろ。
今まで『幽霊は怖いもの』と決めつけていたけど、
幽霊自身とその人を大事に思っている人達に対してなんて失礼な事してたんだろう。
あと、もしこれから学校で、彼の幽霊が出るかも怖~いとか言い出すヤツが出てきたら、まじでしばく。」

この日を境に、いわゆる幽霊系のうわさ話・テレビ・映画には全く怖さを感じないようになりました。
彼の死の後から今日まで、親戚や恩師の死などがありましたが、
亡くなっていった彼らは、決して知らない人に悪さをする人達ではありませんでした!
全ての幽霊に「悪さする人ではないよ」と言ってくれる人がいる。
だから怖い幽霊なんて本当はいないんだな、と。

画像1


ところで、幽霊ってどうやったらなれるんでしょうか。
生きているうちに先輩幽霊に聞いておきたいのですが、いまだに会えずにいます。まあ、もし会えたらそんな事じゃなくて別のくだらない話で盛り上がっちゃうと思うんですけどね。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?