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2019年10月・台風19号

*お亡くなりになった方に、心からお悔やみ申し上げます。
被害に遭われた方々にも、お見舞い申し上げます。

超巨大台風、19号が明日10月12日(土)日本に迫る。週末に出演予定だったイベントはキャンセルになった。11日(金)昼過ぎに電車の運休が発表され、高速も通行止めの可能性とのこと。

ブルーシートが残る千葉や大阪(台風21号からもう1年経つのに、今も新幹線からブルーシートが見える)、作業中の福島の原発も気にかかる。

午前中は「史上最大クラス」というワードがSNSに飛び交い、一方でネタっぽくちゃかされていたりもして、21世紀に何度も目にしたネットの光景が垣間見えた。

昼過ぎには気象庁から「狩野川台風(昭和33年)」に匹敵する規模という発表があった。狩野川は伊豆半島を流れる川で、昭和39年に静岡県で生まれた僕にとって「狩野川台風」は「関東大震災」と同じような、歴史的災厄の伝承としての響きがあった。

今朝は早速ベランダの植木鉢を片付けた。雨が降ってきたら窓の下にタオルを置こう。風が強まってからは養生テープも貼るかもしれない。

昼頃、歯医者に行った。先生と台風の話をした。明日は午前中で閉めることにしたという。東京はまだ身構えた様子もないが、きっとこの看板や旗は飛んでしまうんだろうなという物件がたくさん目につく。

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90年代に沖縄のイベントに出演する予定で前乗りしたところ、台風で中止になったことがある。ホテルのすべての窓の下にタオルが置かれていたのを覚えている。沖縄の人々の長年の知恵。

2005年に宮沢和史バンドのギタリストとして中南米ツアーに出た。楽しみにしていた最終日のキューバの野外ライブは、ハリケーン「ウィルマ」(カテゴリー5)の接近によって政府の命令で中止になった。顛末は以下の長〜いツアー日記に。

上のエッセイにも書いたとおり、結果的にはハリケーン・ウィルマによる大きな被害はなく、僕らは肩透かしを食らった結果になってしまったのだが(あの頃はまだ今みたいな精密な予測ができない時代だった)、キューバの沿岸地域にあるハバナの人々の台風への備えは実に手慣れたものだった。

政府からの非常事態宣言が出てすぐ商店は店じまいを始め、入り口の戸にはベニヤ板が釘で打ち付けられた。ホテルのすべての窓にも「×」印にテープが貼られた 。

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今回の台風が今まで経験したことのないレベルであることは間違いない。19号はカテゴリー5相当で上陸する見込み。しかも雲の大きさは、東京湾周辺に大きな被害をもたらした15号の3倍規模。


*12日16時の予想 「windy.com」より。
関西〜関東〜東北が雨雲に覆われる。
台風の目の東側、東海〜関東は雨+風がより強まる。

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*山手線で「このままの規模で台風が接近すると、土日の運行は絶望的になります」とのアナウンスがあったという情報。
https://twitter.com/iqlldwhhkzhlcgc/status/1182233556384305153?s=21

災害時にはデマも飛び交うので注意。どうか、皆さんお気をつけて。

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11日(金)夜、21時過ぎ都内のスーパーを2件覗いてみた。
明日閉店するための準備もあったと思うが、
パン、ラーメン、スナック、肉、卵、野菜など棚が空っぽ。
東日本震災以来のちょっとしたパニック状態に。

*ウェザーニュースより

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*最大800ミリという途方もない雨量の予想も

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12日(土)午前6時前、雨の音で目が覚める。
テレビではまだ報道されていないが、静岡県島田市・伊豆市で浸水の報告

*米軍による進路予想 (午前9時前)

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*Windy.com による進路予想(午前9時)

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昨日の夕方から、近所の防災放送(訓練以外で初めて聞いた)が時折流れるが、窓を開けないと内容はわからない。午前9時過ぎ、雨脚も強くなってきて、雨音にかき消されてしまう。

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*昼前、頭が重くなる。これが原因か?

昼過ぎくらいから、停電・冠水・避難勧告のニュースが一気に増え、追いきれなくなる。

14時過ぎのニュース、避難勧告・避難指示が460万人とは.....避難勧告が出ても避難所がいっぱいだったというニュース、どこにいけばいいんだという住民のやり場のない怒りの声も聞こえてくる。

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15:30、特別警報が発令。
群馬県、東京地方、静岡県、埼玉県、山梨県、長野県。

19時過ぎ、勢力は保ったまま伊豆半島に上陸との報道。
▼台風19号 10月12日(土)18時現在
 存在地域   下田市の西南西約30km
 大きさ階級  大型
 強さ階級   強い
 移動     北北東 35 km/h
 中心気圧   955 hPa
 最大風速   40 m/s (中心付近)
 最大瞬間風速 60 m/s
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191012-00011233-weather-soci

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一夜明けて、東京は風が少し残っているものの、雲ひとつない快晴だった。報道に触れて、あまりの広範囲の被害に言葉をなくす。
被害に遭われた方々に心からお悔やみ・お見舞い申し上げます。


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犠牲者・不明者が増えてゆく。15日昼の時点でも、全容は不明、と。

河川の研究者の方による考察

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10/16(水)昼頃の報道。

振り返ると、上陸前までは報道の「首都圏直撃」「狩野川台風並み」という言葉に引っ張られて、東北や長野・山梨に被害が出ることはあまり想定されていなかったように感じる。そして上記の窓ガラスの話にもあるように、台風15号の印象から風に対する警戒は持っていたものの、大雨や河川の氾濫に対しての備えはそれほど強く意識していなかった気がする。

この何年か、新しい災害が起きるたびに想定の範囲を更新せざるを得なくなる。そして、次に訪れる災害はさらにその想定を上回る、、、という事態が続いている。東日本の震災も、熊本の地震も、西日本の豪雨も、まだ完全には傷跡が残っているというのに,,,





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