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ギターデザインブック(1980?)④

中3〜高1の頃に描いたギターデザイン帳から。
ちなみに、定規を使うのが苦手なので、ほぼフリーハンド。

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↑ シリアル0034。だんだん、自分らしいデザインの作風が決まってきた。
ヘッドの「K」は河合楽器のコンテストに応募することを意識して。

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↑シリアル0036。0034をアレンジしたバージョン。
S.S.HじゃなくてH.S.H、しかもバーマグネットなのが初期’80sぽい。「T.K」は何だろ?

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↑最後のページにはこんなのが残っていた。もう、シリアルはない。


ところで前回触れた、大学時代に自分でノコギリでぶった切ったストラトの話。友達から借りて、結局自分のものにしてしまった国産のジョーディというブランドのストラト。

ある日思い立って、ヘッドもボディもノコギリで切ってしまった。ディーヴォが使ってたこのギターとか、エディのスタインバーガーのイメージ。(プレイではさほど影響受けてないけど、デビューしたばかりの頃自分でカスタマイズしたギターを使っていたエディのDIY魂が好きだったんだな)

当時住んでた学生寮の炊事場でおもむろにギターを切り始めたら、通りがかった友達は「こいつ狂ったか?!」と思い声をかけられなかった、と後で言われた(笑)

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↑露出不足でえらく古めかしい写真。ちなみに何故モノクロかというと、アートスクールでアートに感化されてたからで、決してその時代にカラーフィルムがなかったからではない(1986年ごろ)。ギターを引っ掛けるハンガーもDIY。

シェイプはどことなく、最後のスケッチに通じるところがある。ピックアップは楽器屋のワゴンセールでみつけたグレコGOシリーズのハムバッカー✕2。P.U.セレクターとボリュームのみ。ペグはロックするタイプにした。キャビティがもともと長方形に大きく空いていたので、ほとんど削らずにマウントできた。自分で赤く塗装して、小さく切った白いカッティングシートを散りばめた。

左のギターは、たしか四天王寺の朝市で¥1000で買ってレストアしたグレコのヴィンテージ。センターブロックなしのフルアコ。元々シングルコイル。ピックガードは白く塗った。もう手元にない。


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↑ ジョーディストラト改は1986年のメインギターだった。デッドポイントはあったけど音はわりと良かったし、チューニングもまあまあ狂わなかった。

当時やってたバンドはレコーディングもこれでこなした。ベーシストが辞めてしまった時には太い弦を張って(6弦にベースの弦を張ったりして)全体のチューニングを5度くらい下げて、低音弦でルートを弾きながら高音弦でコードを弾いたりしてた。。。が、正直無理があった。

上の写真は、一瞬参加したノイズバンドで東京遠征した時の写真だと思う。YAMAHA SPX-90っていうマルチエフェクターが出たばかりで、それを繋いでひたすらインプロ。「ぎゃい~ん ギュイ〜ン ぐお〜ん ゴワ〜ン」みたいな感じ。でも割と受けてた。ちょっと精神的に荒んでた頃。

この直後TENTレーベルオーディションのデモテープ審査を通過して、この赤いギターとMTRのカラオケで最終ライブ選考を勝ち抜いた。
そして高橋幸宏さんと出会い、今に至る。


デビューしてからもしばらくは自分で改造したギターを使ってた。ヤマハのセミアコのブリッジに自分でピエゾを仕込んで、エレアコ的にしたやつとか(音はカリカリだった)。やがてツアーに出るようになって何度か機材トラブルにも見舞われて、自作楽器の脆さとか不安定なところが気になり始めた。

自作楽器でライブをこなしている楽器づくりの腕もプロ級のミュージシャンもいるけれど、僕はそこまで器用じゃなかった。デビューして2年間で3枚アルバムを作る中で、楽器改造に注ぐ労力と時間が足りなくなってしまった。

特に弾き語りだと、楽器はすべてのパートを担う。ピッチが気になる方なので、不安定な楽器だと上手く歌えない。今も時々楽器に手を加えるけど、演奏に影響のない部分に留めて。

「子供の頃、発明家になりたかった」という話は①の冒頭で触れた
発明は、知識や経験の引き出しとインスピレーションの化学反応だと思う。
楽器を発明したいと思っていた幼い好奇心は、10代から20代を経ていつしか曲を発明したいという願望に変わっていった。

創ることを仕事にできて、最高に幸福な人生だと思う。同時に、最大の趣味を仕事に奪われた業の深さよ(笑)
何故、そうまでして「創りたい」と願い続けるのか、未だに自分でもよくわからない。

だから創るのかもしれない。

〈了〉[

<< ギターデザインブック③](https://note.mu/takano_hiroshi/n/n71dd273cf9b9)


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