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短歌

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【短歌】有限の時間を僅かについばんで鳩に餌をば与える如く2005/05/20(金)

【短歌】有限の時間を僅かについばんで鳩に餌をば与える如く2005/05/20(金)

久しぶりに古い歌を拾った。

当時は日記がわりに一日一首と思っていた、数年で途切れるが、詳細は思い出せずとも、当時は仕事やらで苦労していたんだなあと思う、この辺はいつもの述懐だ。

その月の首を繁々と見返していて、一つ思い出したことがある。

当時は都々逸に影響を受けて、中道風迅洞氏の「どどいつ入門」まで買っていた気がする(Amazonで検索したら2004年に購入していたらしい、本当に影響真っ盛り

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【短歌】晴れ渡る青い空まで立ち上る茶毘の煙を見るも叶わず2005/04/24(日)

【短歌】晴れ渡る青い空まで立ち上る茶毘の煙を見るも叶わず2005/04/24(日)

昔の短歌でも更新しようかと思って見ていたら、こんな歌があった。

この時、友人の訃報を聞いた。

まだ、三十代だった。

仕事の同期だったが、交差点に突っ込んでの交通事故だったと聞いた。

他の同期から、当時の職場の上司との関係性がうまく行かず、悩んでいたと後から聞いた。

非常に厳しく当たられていたとも聞いたが、その当時の上司の名を聞くと、その前の前くらいの転勤で俺が非常に世話になった人だった。

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【短歌】 あとわずか数える心に鞭を打つそれが終わりで無いと知るなら2005/03/29(火)

【短歌】 あとわずか数える心に鞭を打つそれが終わりで無いと知るなら2005/03/29(火)

これは仕事の句だ。

重荷を背負うが如く、気が重かった案件だろうが、当然なんだったかは既に覚えていない。

この時期の句は、前月に引き続き、ほぼ重く暗い。

仕事は忙しく体調は今ひとつ、酒杯を傾けるのが楽しみというのがいまだに伝わってくる。

表題には、今、選んだ一句と思ったが、「揺れ揺れて電話ひとつが繋がらず人の安否を如何に知るかと」と迷った。

だがまあ、そちらの句は、ああこの日地震があったん

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【短歌】 
遠く見るここが地獄の果てなればよしや君への便りもならず2005/02/28(月)

【短歌】 遠く見るここが地獄の果てなればよしや君への便りもならず2005/02/28(月)

もう十数年前の歌だ。

2005/02/28(月)
遠く見るここが地獄の果てなればよしや君への便りもならず

何について詠んだ歌なのか、漠然と覚えているものの、もう過去のことだ。

空の青が鮮やかな土地で、空を見上げて詠んだ歌だ。

この時期、仕事が忙しかった。多忙という意味を体感したことのあるタイプの人々なら分かると思うが、昼夜を問わず不意の連絡はあった。

夜中でも飛び起きて駆け付けることもあ

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【短歌】冬の飛行機雲を見上げて

【短歌】冬の飛行機雲を見上げて

2005/01/14(金)

冬の空飛行機雲の尾を引いて交わりゆくはいずこに果てる

文字通り、解説の用もないほど明瞭な歌である。

2005年と言えば平成17年であるようだ。この年から数年、1日一首短歌を読もうと続けていた。その試みは転勤等で生活状況が変わって途切れたのだが、ひとつき、つまり三十首前後から一首ずつ選んで思い起こすこととともに上げてみたい。

この歌は、確か和歌山で読んだ。

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