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電力料金にのしかかる再エネ賦課金

BSテレ東の朝の情報番組、日経モーニングプラスの「値段の方程式」。今朝6月7日のテーマは「電気料金」でした。複雑で分かりにくい電気料金の仕組みを解説しました。
生活に密接している電気料金ですが、毎日気にしているわけではないですよね。そもそも、それほど大きく変化があるのでしょうか?

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こちらは東京電力の標準モデルの電気料金です。2009年から2018年の間では6000円~8300円の間で動いています。値動きの理由はなんでしょうか。2011年3月以降の値上がりの主因は東日本大震災以降、全国の原発が一斉に停止したことです。火力発電所をフル稼働させ、電源構成の8割が火力発電所になりました。火力に使う天然ガスや石油の国際価格が上昇したのも重なりました。

■新燃料費調整制度


さらに制度面の改革も料金に影響を与えます。09年に新燃料費調整制度が導入されました。燃料費調整制度とは電力会社の企業努力では解決できない、燃料価格や為替レートの影響を別に計算することで、電力会社の経営効率化の成果を明確にすることが狙いです。それまでの制度では2四半期前の燃料価格の変動を四半期ごとに電気料金に反映させていました。たとえば1~3月の燃料価格は7~9月の電気料金に反映していました。ただ、原油や為替レートの動きが激しくなり、適切に料金に反映しにくくなったため、新しい制度では例えば1~3月期の燃料価格の変動分は6月の電力料金に反映するようになりました。月ごとの改定です。これにより、タイムリーに燃料価格の動きが電力料金に反映されるようになったわけです。
もう一つが再生可能エネルギー発電促進賦課金の導入です。太陽光や風力といった再生エネルギーを普及・促進させるための買取制度が作られ電力料金に上乗せされています。

今日の値段の方程式はこうなります。
電気料金は 基本料金+(電力単価×使用量)+燃料費調整額+再生エネ賦課金 によって決まる。




■上がる再生エネ賦課金

キャスターの天明麻衣子さんから「再生エネ賦課金を詳しく説明してください」と聞かれました。住宅に設置したソーラーパネルなどによる家庭用の太陽光発電については、家で使う以外の余剰電力が生じれば、電力会社が固定価格で買い取る制度になっている。再生エネルギーを買い取っているお金は電気を使っている人すべてが払っています。番組中で私の家の電力料金表を紹介しました。東京電力と契約しています。

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ちょっと見ずらいのですが、再エネ発電促進賦課金の項目があります。403円となっています。全体の請求額が4482円なので、およそ1割です。
キャスターの八木ひとみさんが「結構、高いんですよね。年々、上がっていませんか」と聞いてきました。確かに年々上がっています。

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買取制度の対象になる電力が増えているため、当面は上がりそうです。賦課金単価は再生可能エネルギー電気の累積導入量の増加が響くためです。2030年までは上昇が続くという調査もあります。

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天明さんが「電力自由化の影響はどうなんでしょう」と振ってきました。2016年4月に電力の小売りが完全自由化され、大手10電力以外の新電力が多数誕生しました。ガスとのセット割や、ガソリンの割引を組み合わせるなど料金体系も多様化しています。
最後にキャスターの豊嶋広さんが「結構、料金は安くなっているんじゃないですか」と聞いてきました。「新電力に乗り換えた直後はキャンペーン価格で安くなる印象だが、キャンペーン期間が終了すると、結局、そんなに変わらないという消費者も多い。一般家庭では自由化の恩恵を感じる場面は少ないのでは」と答えました。電力は資源でもあり、最も効果的な節約法は各自の節電ではないでしょうか。


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