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eスポーツ人気がパソコン価格押し上げ

BSテレ東の朝の情報番組「日経モーニングプラス」。本日朝の「値段の方程式」のコーナーでパソコン価格を取り上げました。スマホやタブレットに押され、ここ数年、販売が振るわなかったパソコンですが、最近、販売価格が上向いています。

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調査会社のBCNによると、8月のパソコンの平均販売単価は10万8400円。前の月に比べ3%高くなりました。前年同月比でみると9.1%高です。
なぜパソコンの販売価格が上がっているのでしょうか。平均単価を大きく上回る「ゲーム向けパソコン」の販売が好調で全体を押し上げています。

盛り上がるeスポーツ

ゲーム向けパソコン(ゲーミングPC)が売れている背景には、ゲーム対戦競技「eスポーツ」の盛り上がりがあります。eスポーツとは「エレクトロニック・スポーツ」の略で、対戦型オンラインゲームで勝敗を競うものです。8月にゲームの甲子園ともいえる高校生のeスポーツ大会「STAGE:0 2019決勝大会」が開かれました。

決勝大会2日間の来場者数は累計で2800人を超え、ライブ配信の
総視聴者数は136万人でした。私も取材に行きましたが、会場内の熱気はおのすごかったです。
国内最大級eスポーツイベント「RAGE(レイジ)」では昨年12月のグランプリ大会で優勝賞金が日本国内で初めて1億円を超えています。

こうした競技のパソコンは非常に高性能なものが求められます。処理速度の遅れが勝敗に響くためです。一般的にパソコンは、頭脳にあたるCPUのほか、作業机にあたるメモリ、引き出し・物置きにあたるHDD、SSDなどで構成されます。
広ければ広いほど、たくさんの作業が同時にできます。

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eスポーツ競技になると、インターネット上で3次元の高精細映像でプレーするため、高度な画像処理半導体(GPU)が必要になります。

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GPUは高いため、これを搭載したパソコンはおのずと高くなります。番組で取材した秋葉原のソフマップの担当者によりますと、一般的に家庭で使うパソコンに比べ3万~5万高いそうです。

ソフマップ店員さん

量販店ではゲーミングPCやその周辺機器は売れ筋とあって、専用のコーナーを設けている店がどんどん増えています。

キーボード

気になる日韓関係

さらにこれからパソコン価格が上昇しそうな気になる話があります。それは日韓関係。

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緊張が続く日韓関係の影響で値上がりしているパソコン部品があるのです。それがDRAMと呼ばれる パソコンのメモリーです。
DRAMと呼ばれる パソコンのメモリー価格は最近1カ月で2割上昇しました。 

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日本政府が韓国への半導体材料の 輸出管理を厳格化したのがきっかけ。日本が輸出した半導体材料を使って韓国の半導体メーカーがメモリーを作り、日本へ輸入しています。 
韓国向けの輸出管理が厳格になっため、韓国の半導体メーカーのメモリー生産量が 減るとの観測が広がっている。先行きの品薄を警戒して、値上がりしている。 このままの状況が続けば、製品であるパソコンの価格にも影響を与えそうです。

今日の値段の方程式はこうなります。

 パソコンの値段は 「eスポーツブームと日韓関係」 で決まる。

 秋の茨城国体では文化プログラムとしてeスポーツが初めて実施されます。 オリンピック種目への採用を目指す動きもあり、 裾野はさらに拡大しそうです。
最後にキャスターの豊嶋広さんから「来年1月にウインドウズ7のサポートが終了するためパソコンPC端末の買い替えが起きていると聞きます。 値段に影響はありますか」という質問がありました。
 じつはもう、買い替えが出ています。 最近の値上がりも少しは 買い替えの影響が出ていますし、今月中は 増税前の駆け込み買い替えもありそうです。
今年4~7月の国内のパソコン出荷台数は300万台と前年同期に比べ4割増えた。eスポーツ需要に買い替え特需も加わり、国内のパソコン市場が5年ぶりの活況に沸いています。値段もジワジワ上がりそうです。



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