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Webサービスを運用してたら、警察から捜査協力依頼がきた話

私はいくつかのWebサービスの開発と運用に携わっているのですが、中でもユーザー同士が掲示板やメッセージで交流が出来る、コミュニケーションサービスでは、ユーザー間のトラブルが起こりがちです。

ここ最近、SNSなどインターネット上での誹謗中傷が話題になっておりますが、そういったトラブルは小さなコミュニティーサービスでさえも、よく起こる問題なのです。

問い合わせの大半は、誹謗中傷や書き込みに対する不快を訴える内容です。
メッセージを消して欲しい」「あのユーザーを凍結・退会させてほしい」「誹謗中傷された」などの問い合わせがほとんどです。

SNSの誹謗中傷に対しては、裁判を起こす!という話をネットでもよく見かけるようになりましたが、本当に警察沙汰になることもあるのです。

数年前の話になりますが、実際に警察が来て、情報開示を求められたことがありました。

具体的な内容は差し控えますが、警察が介入するようなことがサービスを通じて知り合ったユーザー間で起きてしまったのです。

Webサービス上で起こったことではないのですが、そこに至るまでのWebサービス上でのやり取りなどを追って、被害者と加害者の情報を入手したいとのことで連絡がきました。

具体的に警察の方からお話しいただいた内容や、やり取りについては、書くことはできないのですが、差支えのない範囲で、こういうことがあるということを体験談として公開します。

SNSやWebサービス上に書き込まれたメッセージは、消しても遡ってばれるということと、実際に警察が動くこともあるということを、サービス運営の立場から書いてみたいと思います。

インターネットでSNSなどのサービスを利用される方々において、こういったことを念頭に、安易に他人を傷つけるような行為の少しでも抑制になればと思います。

ある日、警察から会社に電話がかかってきた!

警察からは最初に電話で連絡が来ました。

最初は何のことかよく分からず、自分が何かやらかしたのかと思って、自分の行動などの記憶を遡ってしまいました。
考えてみると、名指しで電話がかかってきたわけでもないので、何をそんなに慌てたのだ、という話ではありますが・・

話を聞いてみると、わたしの会社で運用しているサービスを利用しているユーザーが、何やら悪さをしでかしたというのです。
具体的な内容については差し控えますが、ユーザー同士でトラブルがあったようなのです。色々と事件の経緯を伺って、一度会って話をしたいとのことで、取りあえずその日はアポイントだけを決めました。

電話を切った後、「そもそも本当に警察だったのか?」という疑念が沸いたので、着信履歴をネットで検索してみたところ、本当に警察の電話番号でした。

個人情報を欲しいというので、それは疑いますよね。

取りあえず、データ開示を拒否してみた。

数日後、事務所に本当に警察の方が来られました。
当日名刺をいただくまでは、警察を偽って個人情報を抜き出すような犯罪なのかと思って、こちらも身構えていました。

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