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「子どもと動物には分かるんだよね」について(前編)

発達系小児にモテます。
一部支援者にこういう属性の人がいるらしいですが、発達障害(特に自閉系)の幼児~学童前半の子に、謎にモテます。
興味はあるけど恥ずかしい、今日はその謎の生態に迫ります。

モテ方① もじもじされる

幼児に多いパターンです。
待合にいる時は元気いっぱいなのに、診察室に入るなり顔を斜め下に伏せて、もじもじします。保護者が挨拶を促そうが関係なく、ひたすら目を合わせてくれません。
僕と保護者が話を始めると、診察室の隅でおもちゃで遊びます。もちろんこちらをチラチラ見ています。僕が視線を感じてチラッと見ると、目を伏せておもちゃの陰に隠れたりします。

モテ方② 話題にされる

①だけだと「いやそれ単に嫌われてるんちゃうの」という感じなのですが、だいたいの場合に①とセットになるのが、「家では『みきせんせい、みきせんせい』と言っているんです」という保護者のコメントです。診察後数日および診察前数日は、その子の家は「みきせんせい」の話題でもちきりです(でも語彙が少ないので「もうすぐびょういんのひだね!」「あしたみきせんせいのひだね!」という程度)
もちろん彼らは、前の日の夜はわくわくしながら床に就きます。

モテ方③ デレデレされる

そんな彼らも、徐々にみきせんせいの誘惑に勝てなくなってきます。診察回数を重ねてくると、「みきせんせいを眺めたい」欲求に負けはじめます。そのため目が合う回数が増えたり距離が近くなったりします。
そこで僕も負けじと彼らの顔をまじまじと見つめてあげるのですが、そうするとほぼ100%の確率で顔を背けられます。
ただ、背けた先でお母さんが表情を見ると、まあニヤニヤデレデレしているそうです。

モテ方④ 無言でハイタッチ

ここまでくれば、もじもじっ子たちもだいぶレベルアップしています。外来時間が進むにつれて、楽しかったみきせんせいとの時間も終わりが見えてきます。ここまで診察を重ねてきて、我が子の思いを酌んだお母さんは、なんとか我が子とみきせんせいを接触させようとします。
「ほら、みきせんせいとタッチして帰ろ」
彼らに衝撃が走ります。
「たっち・・・だと・・・?」
彼らの葛藤がはじまります。タッチしたい。でも恥ずかしい。
15秒ほどの葛藤ののち、彼らは決断します。遠くからそろりと近寄ってきて、斜め下or後ろを見たままそっと手を伸ばします。
ソフトなハイタッチをしたら、診察修了です。

まとめ:彼らはツンデレである

どうですか、このツンデレっぷり。萌え。
彼らの家での姿を想像しただけで、ほっこりでおなかいっぱいですね。
目の前で見ていても、かわいすぎて「うちの子におなり!」と言ってしまいそうです。
(後編へつづく)
https://note.mu/takamiki/n/n78f6d7e70a5a

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