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衆院選の振り返り 〜維新が議席をのばした理由と立憲が支持されない理由〜

 党首の取材・若手議員・各地の演説・官僚・NPO・全国の学生など、選挙に向けてたくさん取材をした。そんな私が感じた今回の選挙の振り返りをしたい。あくまで、私の考えにすぎませんので、ご了承ください。

 ちなみに今回の獲得議席。NHKニュースです。

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取材をおえて

 私は選挙報道を増やしたいとずっと考えていた。社会問題解決型の番組を作りたいとおもい、NHKのディレクターをやめて時事YouTuberに転身した。選挙報道でいえば、「選挙前報道をつくる」「投票率をあげる」「マニフェストを比較する」「政治家に素朴な国民の声をぶつける」などということだ。この1年間こつこつと政治家取材を続け、今回の衆院選にむけては、特に加速させ、およそ1ヶ月で9人の政治家対談をした。
 5人の党首に出ていただくことができた。

https://youtu.be/fK-Is09y0QQ

野党共闘の意味

 岸田総理は、勝敗ラインを低く設定した。議席が大幅に減っても、大丈夫なようにするためだ。今回は野党共闘したことが、大きな特徴だ。立憲民主党が共産党と「閣外協力」をした。共産党と立憲民主党は、方向として大きく違う。共産党は、すぐにではないが、「自衛隊もなくす方向」であるし、「共産主義」を目指している。閣外協力(大臣は共産党から出さない)し、全部をおしつける訳ではないとは述べるが、そこを自民党はついてきた。

・詳しくは志位さんのインタビュー動画をみていただきたい
https://youtu.be/4EckTBdE2jQ

 河野太郎さんも岸田文雄さんも選挙最終日の街頭演説で、それを指摘していた。河野さんは「日本を共産主義にすすめるのか、自由な民主主義を守るのかの選挙」というような言い方をされていた。詳しくは下記をご覧いただきたい。

【選挙最終日に何を語ったのか】
・岸田文雄
https://youtu.be/jexFqXH89-k
・河野太郎
https://youtu.be/kRpzJgo_yyQ

 演説の場をいくと、与党も野党も「政権交代」を意味することを発していたのだ。

 一方立憲民主党は、共産党と野党共闘して、共産党の人たちがいると選挙運動をしやすい(真面目でよく働いてくれる)という人も多かったそうだ。共産党、一定票数が立民に増え選挙の手伝いもしてくれるしいいと捉えるのか、共産党の近さから票数が減ったとみるかは、多分見方が大きくわかれるだろう。立憲民主党が最終的にどのような判断を下すのかに注目が集まる。結果、立憲民主党の枝野さんはそこを決めきれずに、のらりくらりとした印象だった。例えば志位さんと一緒に写真をとるのをためらったりするなど随所にあらわれる。

立憲が支持されない訳

①共産党との距離の近さで離れる連合
 今回、自民は議席数を減らしたが、立憲は微増すると予測していた人が多いだろう。蓋をあければ、110から96議席にまで減ったのだ。
 立憲民主党は、大きな支持母体は、連合であるが、共産党との距離のちかさから、距離感がある。また原発をなくす方向性であることも、電力系の組合から支持をされないところである。トヨタ系の労働組合は、ずっと支えていたが、なんと急に自民へあゆみよった。

・参考記事
かつて「民主王国」支えたトヨタ系労組の“衝撃的”変化 自民への歩み寄りに企業城下町の選挙区では
https://news.yahoo.co.jp/articles/4c6e1f09f0ae0fb2b3c0174cdf551eed2eae8be9

②野党がまとまることでビジョンをだしにくい
 またバラバラの野党をまとめることが目的化しており、ビジョンをうちだしにくくなっているという点もある。党内の風通しも悪いといわれており、党の代表をきめる選挙では、枝野さんの対抗馬が「風通しをよくする」ことを掲げたぐらいだ。

③政権交代に本気ではない
 これは私の私見であるが、政権交代に本気ではなさそうなことだ。それは一夜にして政権交代はおきないが、そこをはっきり示さないと有権者はついてこないだろうと思う。政権交代に現実味がないと、無党派層は選挙にはいかないだろう。無党派層が選挙に行ったところで自民党に票が入る可能性もあるが、野党は投票率をあげない限りは勝ち目が少ない。それは投票率がひくいと、投票先が決まっている組織票の割合が大きくなるからだ。政権交代が起きる時は、投票率が高くなることが条件だ。
 「政権交代起きなければ、代表を辞任する」そのぐらい言えば少しはかわると思うが、できていない。去年のものではあるが、ぜひ動画をみてほしい。バラバラの野党をまとめるので大変なのはもちろん分かるし、それが枝野さんのすごさなのだろうが、これでいれたいとは思えないのではないか。

https://youtu.be/YWdd2ocmrVA

 少々立憲民主党には厳しい意見をしてしまったが、自民党に緊張感をもたせるためにも、強い野党ができ政権交代がおきるためにも、やはり立憲民主党には期待しているので、このような言い方になる。
 大変なことではあるかもだが、無党派層をもっともっと積極的にとりにいってほしい。共産の票は固いが、かたくない票ももっとがんがん狙って欲しい。

維新が受け皿に

 古い体制の自民党、公文書改竄や、桜を見る会、政治と金の問題など長期政権故の弊害。そんな自民党の批判票が立憲ではなく、維新に入った。維新は今回11議席から41議席まで伸ばしている。維新は支持母体がない。だから、風がふけば議席が増える。維新が支持されて、のばしたというより、自民も立憲も嫌な人が維新にいれたというのが私の実感だ。維新は新自由主義的であったり、大阪だけだと批判する人もいるが、デジタル化に積極的だったり、ベーシックインカム導入など、若者には受け入れやすいものを掲げている。支持基盤がないからこそ、どこかに忖度せずに、合理的に政策決定できるのも強みだろう。政策のブレーンである上山信一さんも、慶応で教わっていたこともあるし、維新の本も読んだがやっぱりすごい。政策通の意見が通りやすいという空気感も感じられる。音喜多駿さんの対談動画をみていただけると分かると思う。
https://youtu.be/Qxt_IPkO4ng


 唯一忖度する先があるとしたら、橋下徹さんぐらいではないか。
 私は個人的には、政治家の給料を減らしたからといって国がよくなるとは思わないが、こういうところも、国民感情にヒットするだろう。大阪での演説で一番盛り上がるのは、議員報酬カットの話だという。
 ぜひ松井さんの動画を見て欲しい。見たら、自民と立憲ではない人たちの受け皿になっていることが分かるだろう。

https://youtu.be/mr9_cixn_lk

 ちなみに私の地元の選挙区では、自民も立憲も派手に不祥事をしてニュースになり、維新に入れた人も多いのではないか。(結果は維新は勝たなかったが、こういうものが比例にきっちりでていると思う)
 ちなみに維新は絶対与党には入らないと松井さんは強くおっしゃっていました。是々非々でいくのだと。是々非々でいるのがやはり、今の若者にはうけると思います。国民民主党もそうですが。やはり、立憲や共産は、法案の8割に賛成していたとしても、一部の予算委員会での与党を追求するイメージが強すぎるとおもう。必要な場面もあるが、メディアの切り取りで話をおわらせるのではなく、ブランディングも立民は考え直さないといけないだろう。


世代交代

 小沢一郎さんや石原伸晃さんなどの昔の大物が小選挙区で次々に負けている。世代交代がおきている。自民も立憲も世代交代に乗り遅れたら、維新の新人にもっていかれる。これからも、そういうことが起きるだろう。自分の後援会だけを向いていては勝てない。古臭いものを若者はしっかりみていると思う。

 今回選挙特番には若者がたくさんでていた。テレビも世代交代がはじまっている。政治の世界だけではないのだ。

 各政党の若者政策をすすめた若手議員に話をきいたら、与野党ともに心強かった。野党にもできることはあることを実感した。

https://youtu.be/NNY783Q6zVc

ぜひとも、こういう議員さんたちに権限以上してほしい。
総じて、「若者政策はどの政党も似ているが優先順位が低い」「公約のすみっこから真ん中にもっていくのが大変」という話が共通項としてあった。

だから世代交代が個人的にはどんどん加速してほしい。そして、若者政策をすすめる若手議員を応援するためにも、若い人には選挙にぜひいってほしい。

振り返り動画も撮影したので、ぜひご覧ください。

https://youtu.be/JvX_KLnzrZ4

※選挙特番3つでて、報道ステーションの選挙特番、選挙ステーションに出演後、覚醒しすぎて、政治のこと話したすぎたのに、話す相手がいないからnoteを書いていました。誤字脱字や間違った情報あるかもです。その場合は、追記訂正していきますのでご了承ください。

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