見出し画像

電気を盗むことは英雄?インドのドキュメンタリー「街角の盗電師」

 インドのドキュメンタリー映画「街角の盗電師」をみた。280万人の街で50万人しか電気を契約していない。なぜか。電気を盗む人がいるからだ。「世のため」といい、違法配線をして、タダで電気を使えるようにする盗電師。電力会社を再生させるために女性官僚が赴任する。が、なかなか改善されない。なんと、電力会社の職員が、盗電師から賄賂をもらい違法配線の仕方を指南していたのだ。

  
 電気があるのが当たり前、そうでない国は技術的に難しいと思っていたが、対価をとって電気を供給することの難しさをはじめて知った。技術だけではなく、それを文化に馴染ませる仕組みを作ることがいかに難しいのか考えさせられた。

 地球環境にいいために自然エネルギーを増やすべきなのは当然なのだが、これを見た後に「それは先進国の都合だろ」と言われたら、言い返す言葉が見つからない。いろんな国の実情を知るべきだと思った。

 そして、何も変わらないように最後は見えた。正義というのは、腐敗した社会において、なかなか勝ちにくいのだと感じた。賄賂をもらって、のうのうと過ごすのは楽だし、タダでもらえるなら、皆がやっているからと盗むのも楽だ。そこに、将来を見据えて、正論をいうのは勇気が必要だと思った。

 だからこそ、正論を言い続けないといけないと改めて考えた。政治と金の問題、メディアがいかに権力に巻き込まれずに、きちんと報道すべきかなど。とても考えさせられた。「金やるし、おいしいもの食べさせてやるし、情報与えてやるから黙っておけ」「一度、金受け取ったから共犯者だろ!!」(まぁ、極端な話ですが、たまに報道で見かけますよね)。

 しがらみなどが面倒だと感じ、NHKを飛び出し、フリーのジャーナリストになった。しかし、フリーの言論人の方が、構造的にポジショントークを繰り広げるのではないかと考えさせられる日々。特定の支持者からお金(仕事)を貰い続けることができるからだ。正論を言い、各所を取材して、批判すると、少しずつ敵が増える。こんな中で食べていくことは大変だ。そうじゃない人もいっぱいいるけど、かなり大変そう。私みたいな存在を本気で潰そうと思ったら、いつでも潰せる。

 電気が盗まれつづけ、お金が入らないと電力会社は、新しく電気を生み出す投資もできない。払っている人から不平の声もでる。だから、誰のメリットにもならない。そんなことはわかっている。だけど、現実にうつすのは難しい。耳が痛くても、嫌われても、頑張って正論を言いたい。


コロナ禍で取材になかなかいけない中、視野を広げるため、当事者の声に耳を傾けようと、いろんなドキュメンタリーを見ていこうと考えております。

3/10 (水)19:30~オンライン映画上映『ナディアの誓い』

2018年ノーベル平和賞 国連親善大使 ナディア・ムラドさん。23歳でイラクでISISによる虐殺と性奴隷から逃れ、人々の希望に。そんなナディアさんの物語を、オンライン上映します。

こちら500円で見れます。

そして、いろんな社会問題の当事者の方にお話をお伺いするオンラインサロン「大人の社会科見学」。社会を変える仲間、学び、行動にうつす人を増やすためにやっております。

ぜひぜひご参加ください。


7文字だけ有料にしますので、たかまつななを応援したいという方はnoteのサポート、ご支援をお願いします。取材などの活動費に使わせていただきます。

最後まで読んでいただき、ありがとう


ここから先は

7字

¥ 500

基本的にすべての記事は無料でご覧いただけます。もし有益だと思っていただけたらサポートいただけますと幸いです。「笑いで世直し」するための活動費(イベント代、取材費等)として大切に使わせていただきます。