ゲノム編集について

ゲノム編集とは

染色体の中の遺伝子に含まれる遺伝情報のすべてを表す言葉ですが、これはすべての生物が共通して持っているものです。この遺伝情報を意図した通りに編集する事。
あらゆる動植物の遺伝子の改変がビデオテープを切ったり貼ったりして編集するように簡単にできるということです。

ゲノム編集を行う方法の中でも最も注目されている技術がクリスパー・キャス9という方法です。

クリスパー・キャス9が注目されている理由

驚異的な成功率だけではなく、非常に簡単にできて、あらゆる生物に応用出来ることです。

医療分野では研究が進みHIVの治療では、患者の血液中の免疫細胞を採取して遺伝子を編集して体内に戻すことで、免疫力を示す数値が薬を服用する必要がないほど上昇した報告が有るそうです。
これによりエイズの発症が高い確率で抑えられる可能性があり、エイズも不治の病ではなくなるそうです。

他には、人間の特定の部位に属する遺伝子を改変する事と受精卵そのものの遺伝子を改変することは意味がまったく異なってきます。受精卵の遺伝子を改変することは、以前話題になった「デザイナー・ベビー」の誕生を意味します。つまり親の好みに合わせた子供ができるということです。髪の色を変える、瞳の色を変える、背を高くする、筋肉量を増やすなどいくらでも可能になります。

研究はもちろん医療分野だけではなく動物や植物にも及んでいます。

筋肉量の多い牛や魚、中にはマグロを養殖しやすいように性格を大人しくする研究など、さらにエネルギー分野でも研究が進んでいて、油を多く含む藻の一種を改良することでより大量の油を採取してバイオ燃料として、数年後の実用化を目指している例もあります。

今まで100年かけてやってきた突然変異の品種改良をわずか数年で完成させるスピードです。
しかもゲノム編集の技術の凄さは、遺伝子組み換えと違って突然変異を待つのではなく、ターゲットの遺伝子を高い確率で編集でき、その影響がある程度予測できる点にあります。

人間はどこまで遺伝子の領域をコントロールすることが許されるのかと考えさせられました。

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