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【書評】1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見

我々が認識している南北アメリカ大陸は、1492年にコロンブスが到達してから以降のもので、それ以前のことはマヤ、アステカやインカなどの文明の存在を聞くものの、ほとんど知らないのが実状だ。
本書は、コロンブス到達前の南北アメリカ大陸には文明が存在し、恐らく当時のヨーロッパ全体を越える数の人々が暮らし、いくつもの都市が築かれ、トウモロコシの交配を繰り返し現在の品種を作り上る農耕技術を持っていたことなどを記すとともに、ヨーロッパ人が持ち込んだ疫病によって、南北アメリカ大陸に住んでいた先住民の9割が亡くなり、先住民の社会が崩壊したことなどを記している。

最新の発掘と研究で明らかにされたアメリカ大陸文明の全貌であり、私にとっては南北アメリカ大陸に対する認識が一変した衝撃の一冊。

本書の著者

チャールズ・C.マン 著「1491 先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見」日本放送出版協会刊
2007年7月1日発行

著者のチャールズ・C. マンは、1955年アメリカ合衆国 生まれ。アマースト大学卒業。アメリカのジャーナリスト兼作家であり、科学的なトピックを専門とする。

本書の章構成

プロローグ ホームバーグの誤り
第1章 空からの眺め

第1部 根拠のない数値か
第2章 なぜビリントンは生き延びたか
第3章 四つの地方から成る国で
第4章 解けない謎

第2部 古い人骨
第5章 更新世論争
第6章 綿(もしくはカタクチイワシ)とトウモロコシ―二つの文明の物語その一
第7章 文字、車輪、バケツリレー―二つの文明の物語その二

第3部 人のいる景観
第8章 メイド・イン・アメリカ
第9章 アマゾニア
第10章 人工の“原生自然”

エピローグ
第11章 大いなる平和の法
付記

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