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魚の習性を科学する

イノカチームでは、定期的に海外の魚にまつわるサイエンスに関して、調査しております。

本日のテーマは

「魚の心理学」

です。

本日の論文はこちらです。

要点をまとめますと

実験により、「餌をたくさん食べた魚は、群の後ろを泳ぐ」ことが明らかになった

というものです。

理由としては、二つ挙げられています。

一つ目は、単純にご飯をたくさん食べると、体重が重くなったりして、泳ぐ能力が下がってしまうこと。

人に例えるなら、ピザを何枚も食べてからマラソンをすると、パフォーマンスが落ちるということです。当然ですね。笑

二つ目の理由が面白いのですが、
その前に、「群れで泳ぐこと」に関して説明しようと思います。

以前もこちらの記事で軽く紹介したのですが、

魚は群で泳ぐと、泳ぐのに必要なエネルギーが少なくて済みます。

しかし、群の中でも、先頭にいて泳ぐと一番水の抵抗を多く受け、泳ぐのに必要なエネルギーが増えるのです。

平昌オリンピックのスピードスケート団体で、先頭を交代で滑ってたじゃないですか?
あれと同じで、先頭にずっと同じ人がいると疲れてしまうんですね。

また、先頭を泳ぐということは、外敵に遭遇して襲われる可能性も増えるため、魚にとって身を危険に晒す行為なのです。

しかし、それでも先頭を泳ぐことにはメリットがあるのです。

それは、餌にありつける可能性が高くなることです。
そのため、さまざまなデメリットがあっても、空腹の魚は群の先頭を泳ぐのですね。

つまり、二つ目の理由は、
お腹がいっぱいになったら、魚は先頭を泳ぐ必要がなくなり、
その代り、エネルギーを温存するため、また自分の身を守るため群の後ろに回るというものです。

このように、魚の何気ない習性にも奥深い理由があるのですね。

家で魚を飼っていて、魚が変わった動きをすることがあると思います。
みなさんも、一度ぜひ、「どうして魚はこんな動きをするのだろう?」と考えてみてください。

間違っていても全然いいのです。様々な歴史的発見は、そういった疑問から生まれています。

いつか、アクアリストが歴史的大発見をして、ノーベル賞をとる・・・
なんて日が来ることを夢見ています。


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