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茶道のお稽古って何をするの?

お茶のお稽古ってそもそも何をしているんでしょう?
映画「日日是好日」を見た方なら、お稽古の流れがわかるかと思いますが、つい先日、とある方に抹茶のお稽古って…

抹茶

「抹茶を点てたものを先生にお出しして、先生に飲んでいただいて、良し悪しをチェックしていただくんですか?」と言われました。
「茶道=抹茶」ぐらいの感覚だと、出来栄えを評価することがお稽古だと思うのね!と私としてはびっくりしましたが、新しい視点をいただけました。

茶道でのお稽古は、おおまかに「お客様」と「お点前(おてまえ)」にわけられます。
お客様のお稽古とは
おおざっぱですが、抹茶をいただく側のお稽古です。茶室への入り方(茶道のお稽古は茶室(和室)で行うことが多いでしょう。)・軸や花、道具の見方・お菓子の食べ方・お抹茶の飲み方を習います。茶室には季節の軸や花が飾ってあり、軸に書いてある文字の意味や花の名前を教えてもらい、季節感のある和菓子を食べ、お抹茶をいただく。この流れがお客様のお稽古です。目でも耳でも口でも…五感を使って味わうことがお客様のお稽古だといえるでしょう。
お点前のお稽古とは
お点前とは、抹茶をお出しする側のお稽古です。棗・茶杓・茶筅・建水などなど(季節によって使うものが変わります。)の道具の扱い方・ふくささばき(袱紗の使い方)・点前の順番を習います。ただ単に抹茶を美味しく点てるだけでなく、準備や順番、片付けを学びます。

なので、単に上手に抹茶を点てることがお稽古ではないのですよ。というのが伝わるとうれしいです。

映画「日日是好日」の中で、「世の中にはすぐにわかるものとすぐにわからないものの二種類がある。」と言われています。茶道はすぐにわからないものに入ります。現代の忙しい世の中で、何でもすぐに効率的に学びたいという方には、すぐにわからないものを受け入れるのは難しいと思う方も多いようです。私たちは目的に向かって効率良くこなす、目標を最短でこなすことに力をそぞぎがちですが、茶道のお稽古で「五感を使って全身でこの瞬間を味わう」ことによって、何かいつもと違う時間の流れであったり、物事との向き合い方ができるようになっていくのかもしれません。すぐにわからないものを受け入れる力、一期一会の楽しみが茶道のお稽古の中にはあると感じます。

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