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『呪術廻戦』と天武天皇時代の身分制度(八色の姓)

『呪術廻戦』を読んで、高校の時に習った「八色の姓」を急に思い出した。

1 「八色の姓」とは

天武天皇が編成した天皇を中心とする豪族の新しい身分制度。

大化の改新以来、30年近くも中臣鎌足とともに政治にあたっていた兄・天智天皇が世を去ると、弟・大海人皇子(後の天武天皇)は、兄の子、つまり、天皇の子大友皇子を擁する勢力と対立して吉野で挙兵。美濃を根拠地に東国の兵士を集め、大和の豪族の協力を得て、近江の大友皇子の朝廷を倒した。(壬申の乱)
壬申の乱の後、飛鳥浄御原宮で即位して天武天皇となった天皇が、強大な権力を握って豪族を抑えるために編成した制度が、「八色の姓」。


新しい制度は、
 真人(まひと)
 朝臣(あそみ・あそん)
 宿禰(すくね)
 忌寸(いみき)
 道師(みちのし)
 臣(おみ)
 連(むらじ)
 稲置(いなぎ)

旧来の臣・連の中から天皇一族と関係の深いものだけを抽出し、真人・朝臣・宿禰の姓を与え、新しい身分秩序を作り出し、旧来の氏族と今の皇族の地位、上級官人と下級官人の家柄を明確にし、中央貴族と地方豪族とをはっきり区別させた。

「八色の姓」は、長年続いた政治を打破して頂に登った人の制度、だよね。使える人と使えない人をハッキリ分けてるよね。でも、使えない人(古い人)を潰すんじゃなく残す形。

「八色の姓」は秀逸だなぁ、って思ったとこは、実際には、「道師(みちのし)」の位に任命された人はないこと。つまり、新しい位「真人(まひと)、朝臣(あそみ・あそん)、宿禰(すくね)」と、古い「臣・連」の間に、大きな差を作ったところ。

これを初めて知った高校生の時、この秀逸さに感動した。だから、社会人になった今も覚えてる。

2 「八色の姓」と『呪術廻戦』との繋がり

共通項は、真人。
やっぱり、真人は、テッペンなんだなぁ、って。
真人は、天武天皇時代の身分制度でも、未登録呪霊達の中でも、トップ。

「八色の姓」の3番の位の宿禰(すくね)は、宿儺(すくな)に似てるしね。

天武天皇が、美濃(岐阜)にゆかりがあるのも、両面宿儺を思い出させるしね。

と、言うことで、『呪術廻戦』を読んで律令制度を思い出した話しでした。


昔も今も、人間のやってること、ってあんまり変わらないね。だから、歴史を学ぶことは、人生戦略のヒント(生きるヒント)になるかも、ですね。



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