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相乗効果

表紙の絵に釣られて即買いした、つまり、「ジャケ買い」した文庫本の『羅生門』。この本には18の短編小説が収められいて、毎晩1話ずつ、お風呂に入ってストレッチをした後に読んでいる。高校生の時にも『羅生門』を読んだが、今の方がわかりみが深い。高校生の頃の私と今の私ではものの受け取り方も違って当然で、今読む『羅生門』、そして、文庫本『羅生門』に掲載されているすべての短編小説には、納得がいく。

私がこの本を読んで頭に浮かんだのは、「般若(能面)」、つまり、2本のつのをもつ鬼女の面だった。芥川の本を読んで、パッと思いついたのは、怒りや嫉妬に駆られて、優しいおたふく顔の能面がひっくり返ると、2本の角が生えた鬼の能面に変わっているシーンだった。どうして、般若を思い出したのかというと、たぶん、この本の中に『ひょっとこ』というタイトルの短編小説があったからだと思う。『ひょっとこ』から般若を連続したのだと思う。

そういう点から考えると、アニメ『文豪ストレイドッグス(*1)』で、登場人物「中島敦」と「芥川龍之介」が同じ顔(私には同じ顔に見える)なのが、とても興味深い。この2人は、文豪・芥川龍之介が言うところの「人間の心には互いに矛盾した二つの感情がある。」を表現しているのではないのか?などと考え始めてしまう。

小説を愛して読む人、漫画を愛して読む人、アニメを愛して見る人には、怒られてしまうかもしれないが、芥川龍之介の小説も漫画/アニメ『文豪ストレイドッグス』も好きな私には、両方とも読む相乗効果、もちろん、良い意味の相乗効果があったみたいだ。

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*1    アニメ『文豪ストレイドッグス』

「文豪ストレイドッグス 中島敦、太宰治、芥川龍之介など文豪の名を懐くキャラクターたちが繰り広げる異能バトルアクション!」(『アニメ「文豪ストレイドッグス」公式サイト』より http://bungo-stray-dogs.jp


アニメ『文豪ストレイドッグス』のシーズン2の17話以後のオープニングの曲を見ると、『中島敦と芥川龍之介が「同じ顔」』って思うと思う。



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