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サラブレッドの本当の強さは、血を残すことで証明される【超・馬券のヒント第66回】

競馬ファンが集まると3強論争が始まる。同世代の3頭の名馬たちの誰が最強なのか、という議論のことである。オールドファンでいえばトウショウボーイ・テンポイント・グリーングラスであり、競馬人気が沸騰した時代のファンでいえばオグリキャップ・スーパークリーク・イナリワン、ミレニアム前後に競馬を始めた世代でいうとエルコンドルパサー・グラスワンダー・スペシャルウィークである。特に最後の3強論争においては、インターネットが急速に普及した時代とあいまって、それぞれのクラスタによる激しい意見のぶつかり合いが今でも見られる。

3強論争は、その難解さゆえに最後には水掛け論に終わってしまうことも多い。エルコンドルパサーが強いという意見も、グラスワンダー最強という主張も痛いほどよく理解できる。エルコンドルパサーとグラスワンダーに意見が二分するのは(スペシャルウィークは少数派)、サイレンススズカが逃げ切った毎日王冠を境として、この2頭が全く別の道を歩むことになったからである。凱旋門賞を目指してヨーロッパに渡ったエルコンドルパサーと、国内に専念したグラスワンダー。新しい環境に適応し、ヨーロッパの競馬でも結果を出したことを高く評価するか、またはマイルから2500mまで距離を問わず、国内のG1レースをいくつも勝ったことを上に取るか、ほとんど同じレースで走ったことのない2頭の比較は難しい。

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