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「子供生まれたら育休をとる」が当たり前になって欲しい、と育休を取って思った話し。

男性が育休を取ることが当たり前の社会になったらいいな。というより、男性は育休を取って育児をした方が家族のためにも産まれてきた子供のためにも、なにより男性自身のためにも良いです。

僕自身は、育休を取ってから3月が経ちました。
当初は育児の傍ら、オンラインでできる仕事をしたりこれからのキャリアアップのために勉強をしようと思っていました。なんなら、副業くらいできちゃうんじゃないかとまで思っていましたが、そんな意識高い系の計画は赤ちゃんが退院して1日で終わりました。
甘く見ていたとかそういうレベルではなく、人生の中でもかなり難易度の高いミッションだと感じました。はっきり言って仕事をしていた方が楽です。

とはいえ、育児なんて一生のうちでもわずかな時間しか経験できないことです。そんなことやるしかないでしょう。僕はやる気満々です。
また、それとは別に、僕も妻も東京と神奈川からそれぞれ北海道へ移住をしてきた身ですので、親族は皆関東にいます。昨今の新型コロナウイルス感染症の影響で家族の助けを借りるという手段を取ることもできなかったのでなおさら自分たちでやるしかない状況でした。

頭の中が追いついてこない、はじまり

10月上旬に無事病院を退院した妻と息子。本格的に育児生活が始まりました。退院時に初対面した息子は思ったよりも小さかったですがとても可愛かったのが第一印象でした。しかし、どこか不思議な感じ。というのも僕自身は身体の変化もなく、病院は面会できない状態で当然出産の立ち合いもできなかったので、突然妻が赤ちゃん連れて帰ってきたという事実しか汲み取れない自分もいました。この感覚は今思うと、後々妻から散々言われる「当事者意識の薄さ」というものだったのかもしれません。
何はともあれ父親になった自覚が薄くても誰も待ってくれません。

劇的に変わる、赤ちゃんのいる生活

こんなにも生活は一変するのだなというのが最初の印象です。
完全に赤ちゃん中心の生活です。家具の配置や生活のタイムスケジュールなど赤ちゃんのライフサイクルから隙間を見つけて自分たちの生活をうまいことやっていくほかありませんでした。
とりあえず赤ちゃんには昼夜とか時間の概念がありません。食べて寝て排泄しての繰り返しです。母乳での育児ということもあり、最初の1ヶ月くらいは、良くて2〜3時間寝てくれます。起きたらおむつを交換して授乳。機嫌が悪いと授乳後もウダウダ言っていることもあります。抱きあげてやっとの思いで寝かしつけても布団の上に置くと泣き出してしまうこともあります。少しずつ生活のサイクルを覚えてもらうために昼間は部屋を明るくして、夜になると照明を落としてみたり、寝る時間にはアロマを染み込ませたガーゼをそばに置いてみたりとしました。
とはいえ長く寝ても3時間。4時間超えたら強制的に起こさなければならないので、妻は常に仮眠な状態です。僕は始めのうちは夜中でも泣き声がしたら起きて世話を始めようとしている妻に声をかけていたのですが徐々に目が開くだけで、最近では泣き声を聞いてもおきません。僕の中では小鳥のさえずりレベルに感じるようになってしまったのです。
もちろん妻の指示(おむつ替えて、抱っこしてて)ではささっと起き上がり任務を遂行します。とはいえ、夜はなかなか起きれないのでそれ以外の時間に家事を積極的に行うようにしたり、リビングで赤ちゃんの面倒をみているからベッドで寝てくるようにと、妻の睡眠時間を確保してあげようとしたり、肩や背中のマッサージをしたりしました。
ちなみに、女性が男性に家事などのお願いをする時はタスク化すると良いと思います。それなりに言われたことには取り組みます。ただそれ以外のことに気づけないことは優しくフォローしてあげてください。気づく努力はします(少なくとも僕は)
退院後2週間くらいは、食事の準備も全部行い、そうじ・洗濯・買い物と家事に勤しんでいましたが、妻の体力が回復してくるにつれて「私がやった方がいいね」といいながら少しずつ家事の分担は妻へと任されていきました。
授乳のことがあるので僕はどんなにがんばっても基本的に3時間ほどしか赤ちゃんの面倒をみていられないのです。育休をとりながら隙間時間で勉強をしたりしていますが、家事の分担が少なくなってくると、なんだか自分は家にいなくてもいいのではないかと思うこともありました。

無力感を感じる2ヶ月目。それでも男性が家にいた方が良い理由

「なんか家事の分担量も減ってきて、家にいてもそんなにやることが無くなっちゃったな〜」なんて話しを妻にしてみたところ、「私の話し相手になってくれるし、見ててくれるだけでも十分役に立っているよ。」と大変ありがたいお言葉をいただきました。
そう、僕には大事な役割があったのです。
それは、妻の話し相手になること。確かに育児をしていると赤ちゃんには話しかけますが会話には程遠く、それでいて愛する我が子は毎日変化していきます。なのでその喜怒哀楽を共有できる存在が必要なのだと思います。
実際、我が家ではそれぞれが見ていた時の子供の様子を共有したり、方向性を2人で話し合っていることは常日頃あります。なにより、話しを聞いてもらえる存在が側にいて、なおかつ共感をしてもらえると言うことがかなり大切なことのようです。子供の様子をある程度見てわかっている人と、夜遅い時間に帰ってきて昼間の様子を何も知らない人では、話しを聞いてもらうまではいいかもしれませんがその後の共感具合がだいぶ異なるのではないでしょうか。
また、「子供を見ていてくれる」という完全に任せておける状態はかなり精神的な負担を和らげることができます。実際に妻は「赤ちゃんを見てもらっているとわかっている3時間は熟睡できる」とも言っていました。自分が対応しなきゃいけない状態だと熟睡はできないそうです。母性本能ってすごいですよね。僕はもう赤ちゃんの泣き声に慣れてしまい、夜中に起きる回数がめっきり減ってしまいました。
昼間でも僕が赤ちゃんを見ている時は、妻が一人で買い物に行ったりすることもできるので、息抜きにもなりますよね。
おおげさに言うと僕が家にいることで妻の社会的孤立をを防いでいるとも言えるかと思います。


お金のことより妻子供との時間が大切

赤ちゃんは日々変わっていきます。身体も声も少しずつ大きくなり、表情や手足の動きもバリエーションに富んでいきます。
なので、赤ちゃんの変化をリアルタイムで感じ、育児で苦労しながら喜怒哀楽を家族で共有する時間と言うものが今後の家族にとっても大切な時間になるかと思います。
家族の生活のためにお金を稼ぐことも大切ですが、それに邁進しすぎて家族と接する時間が少なくなってしまってはどうしょうもありません。
お金に関していえば、子供が生まれるまでにそこそこちゃんと仕事をしていれば問題はないかと思います。育児休業給付金を利用すればある程度はもらえます。もちろん雇われていることが前提条件で雇用期間やなんやらの条件はありますが申請はそんなに難しくありません。育児休業に関しては、法律でも規定されている労働者の権利ですので、事業主は労働者から申請されたら、基本的には受け入れるもののようです。厚生労働省のHPで詳しいことが書いてあります。育休の期間は労働関係の税金が免除されるので、実質的には、今までの手取りの80%くらいが給付されます。残業していない月と同じくらいですね。
なので、育休とらずに働いたとしても20%の穴埋めにしかならないと言うことですね。実質的には時給200円くらいになるとも書いてあるサイトもありました。そう考えると育休とった方が良さそうですよね。
もちろん、育休をとることによって出世できないといわれたり異動させられたりしてしまう場合は立派なパワハラですのでそんな会社で今後も働くかどうかはしっかり考えた方がいいと思います。

当たり前が変わればみんな幸せ

どのようなことをすれば育休取得率は上がるのでしょうか。できることがあればなんでもやりたいと思っています。「子育ては女性がする」とか「男は外で稼ぐ」とか「育休取れたら良い会社」とかこんな当たり前が変われば良いと切に願います。夏休みや年末年始休暇と同じように育休とるのが当たり前になると良いな。というか、育休の場合は休暇ではなく育児をしているので全然暇も休みもないです。
幸い僕は恵まれた経営者の元で働かせてもらったので育休を取得しました。「子供が生まれるなら育休を取りなさい」と言ってくれる上司や経営者が増えてくれると良いですよね。先々のことを考えると、家族のことを優先させてくれる人の元で働くと仕事へのエンゲージメントはさらに高くなると思うんですよね。業務が属人化している組織ほど育休は取得しづらいのでしょう。優秀な人材が抜けても会社が回るように組織について考える機会だと捉えられると良いですね。
男性は特に育休をとった方が会社にとってもメリットがあります。
まず、上記にもあるように、会社へのエンゲージメントがあがります。帰属意識や感謝の気持ちが下がることは少なくともないでしょう。
そして、能力が上がります。赤ちゃんは言葉が通じません。なので赤ちゃんのニーズを汲み取るためにアンテナを研ぎ澄まさなければいけません。赤ちゃんのアクションを観察し、仮説を立て、対応します。「さっき泣いたのはおむつ替えて欲しかったんだよ」なんて赤ちゃんが後々に言ってくれれば答え合わせもできますがもちろんそんなわけがないので、泣き出したらあれしてみたりこれしてみたりの繰り返しです。少しずつ洞察力は身につきます。
もっと難しいのは妻です。出産直後は精神的にも不安定な時があります。何気ない発言や態度が嫌な思いをさせていたりするのです。身に覚えのある人も少なくないはずです。
こうした、言葉にならない心の声を聴くという能力は仕事においても必要不可欠な能力ではないでしょうか。洞察力は人をマネージメントする立場や接客を伴う仕事をしていたら特に大切ですよね。
このような洞察力や気づく力を始めとして、計画的に家事を行う段取りの良さだったり、一瞬で優先順位を決めて物事に取り組む判断力だったりは、母になって育児をすると勝手に身に付くと思います。しかも夫のマネージメントまでできます。こんな優秀な人材は子育てがひと段落したら会社のそれなりのポジションについてもらいたいくらいですよね。勤務時間は短くてもきっちりと手際良く仕事をする働くママたちも多いかと思います。
女性の社会復帰のためにも男性の育児参加は必要です。

誰かの犠牲の上の幸せよりも、今までの当たり前をなくして、みんなが幸せな家族が増えていけば良いなと思います。

こんな発信きっと必要ですよね。
長くなってしまいましたが最後まで読んでいただきありがとうございます。
少しずつ育児に関しての発信もしていきたいと思います。


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