#478 めったに役に立たなくても
今日はエンストしなかった。
左折ん時にちょっと縁石に乗った。
いつギヤを落としていいのか、よーわからん。
毎回なにかを教えてもらい、それを試し、成功したり失敗したりしながら、娘はクルマの運転を学んでいる。教習所へは、意外とマメ&楽しそうに通っていてなにより。
クルマなんて無駄。
ましてマニュアルなんて必要ない。
そういうひともいるだろうけど、「爽やかな秋風が吹く高原でオープンカーを走らせる」という機会が巡ってきた時に、その世界になんの制限もなく、どっぷり浸れるパスを持っているかどうかの差は案外大きい。
あるいはたとえば、『ドライブ・マイ・カー』を手にした時、みさきのシフトチェンジに関する描写をなんとなく読み流すしかなかったのなら、それはほんの少し、ほんの少しだけどもったいない。
勉強なんて無駄。
まして数学なんて必要ない。
こういうことを学生の頃に感じ、大人になった今も思っているひとがいるだろうけど、見られる世界が広いと、いつかひょんな時に「あぁ、そういうことか」と腑に落ちる機会がグッと増える。
もっとも、生まれ育った環境が我が家であるがために、用意されているクルマがオープンカーでもサーブでもなく、おたまじゃくしのような色と形の軽トラであることは、ちょっとした失望かもしれない。けれど、単に遅かったり、うるさかったりするだけで走破力はなかなかのもの。世界のどこへでも行ける。