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とにかく一文が途切れない、息の詰まるような長い文章が好きです。

そしてあなたは目でうながしたもういちどおっしゃってyesすると彼はあたしにねえどうなのと聞いたyes山にさくぼくの花yesと言っておくれとそしてあたしはまず彼をだきしめyesそして彼を引きよせ彼があたしの乳ぶさにすっかりふれることができるように匂やかにyesそして彼の心ぞうはたか鳴っていてそしてyesとあたしは言ったyesいいことよYes (丸谷才一他『ユリシーズ III』, 集英社, 1997)

[Original]
and then I asked him with my eyes to ask again yes and then he asked me would I yes to say yes my mountain flower and first I put my arms around him yes and drew him down to me so he could feel my breasts all perfume yes and his heart was going like mad and yes I said yes I will Yes.

20世紀冒頭に「意識の流れ」の手法を打ち立てたジェームズ・ジョイスの『ユリシーズ』の第18挿話ペネロペイア、物語のラストの大団円をyesという単語のみで切り分けながら、大胆にラストの円環を描く。普通は打つべきピリオドやコンマさえ省いて、第18挿話はすべての文章がつながっています。僕はこれを24歳くらいのときに原文で読まされて、半年かけて死にそうになりながら読み終えた時、何かよくわからない感動で涙が出ました。

というわけで、僕の文章は一文も一段落も、基本的にリーダビリティを無視して長くなりますが、ご了承いただけましたら幸いです。

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