#10|映画企画を売りこむ場「エディンバラピッチ2019」覚書
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#10|映画企画を売りこむ場「エディンバラピッチ2019」覚書

上野 貴弘

6月19日から約2週間、イギリス、スコットランドの首都エディンバラでは、エディンバラ国際映画祭が開催されます。

それに先立ち、ドキュメンタリー映画をピッチする場「エディンバラピッチ2019」が行われました。チケットを購入し、観覧してきましたので覚書を残しておきたいと思います。学生とプレスはチケット価格 £12(約1700円)、一般は£26(約3600円)となかなか強気な価格設定。

ピッチとはなんぞや

まず、映画やテレビ番組の企画を「ピッチ(Pitch)」するとは、製作会社/テレビ局などのエグゼクティブエディターやプロデューサー、フィルムファンドなどに企画を提案して売り込むことです。

要は「この企画おもしろいんで、製作するお金ください!」とプレゼンして、お金を出す側が「お、これは製作する価値がありそうだな」となれば、資金を投資してもらえるわけです。

ヨーロッパやアメリカでは、フィルムフェスティバルと連帯して、ピッチが数多く開かれています。そこに、企画を提案したい監督やプロデューサー、そして新しい企画を求めているエグゼクティブエディターたちが集まってくるわけです。

エディンバラピッチ所感

さて、「エディンバラピッチ」は、エディンバラ国際映画祭やSDI (Scottish Documentary Institute)が協力して開催している、ドキュメンタリーフィルムメーカーのためのピッチです。

BBC、映画制作会社、ヨーロッパの映画祭のディレクター、Netflis、映画館のプログラマーまで、15名ほどのパネラーが集まり、全12個の企画が観客の前でプレゼンされました。

各企画20分の時間が与えられ、その中でディレクターまたはプロデューサーによる企画の説明、トレーラー(予告編)の上映、獲得したい予算の説明、質疑応答などが行われます。

ピッチでは、完成前の映画をプレゼンするため、予告編の映像を制作するのも一苦労です。しかし、ほとんど撮影していない中でも、魅力的なトレーラーをつくり、パネラーを魅了した作品が資金を獲得します。

【以下、ピッチを観覧した所感】

- なぜこの映画を作りたいのか、モチベーションが問われる
なぜあなた(監督)はこの物語を伝えたいのかは重要。そのモチベーションが、最終的な映画の方向性に大きく関わってくることをパネラーは知っている。誰でも同じトピックで映画を撮れるが、モチベーションによって最終地点は大きく変わる。

- なぜ今この映画を世に出す必要があるのかは重要
「時代の流れのなかで今問われるべき」という時事的な観点も必要だが、興行的な成功のためにも、どのタイミングで映画を上映できるかは重要。
例えば、あるバンドのドキュメンタリーを提案していたディレクターがいたが、そのバンドの結成25周年記念をちょうど逃してしまったことをつっこまれていた。

- 国を超えて共感を得られるユニバーサルストーリーが必要
複数の国のプロダクションが共同製作するのはあたりまえ。文化的なバックグラウンドの違いを超えるユニバーサルストーリーが必要。製作的な事情を抜きにしても、人間としての本質的な問いを持つことは映画として重要だろう。

- ある状況をどうみるか
物語とは、ある状況をどうみるか。

- 公開するメディアによって好みはある
テレビと映画館での公開では、やはり向き不向きはある。テレビだと、尺や表現手法も変わってくるし、どこの国の話かが映画よりも制限されている気がした。観客がある特定の国でテレビを受信する人に限定されるため。

現場からは以上です。

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上野 貴弘